ミシュラン京阪神版

  ミシュランの2010京阪神版が発売されて、新聞各紙が取り上げている。

  まあ、こういうのは祝祭のようなものだから、あって悪いわけではないが、掲載されることで客層が荒れたり、もっとひどいことには店の味や客あしらいが荒れたりといった弊害もまた少なくない。

  たとえば、本ブログで何度か書いた懐石の「S」、といってももう名前が出ているのだから、隠す必要は無いか、「山荷葉」やこれは書いてはいないが、「なが坂」といったお店のことを言っている。

  もちろん、お二人とも篤実を絵に描いたような料理人だから、仕事がぞんざいになる心配は万に一つもないだろうけれど、それだけに客が店を潰してしまわないかが心配である。とくにこの二つのお店は、ご主人が一人で切り回しているだけに、客がひっきりなしにおとずれるようであっても、対応は出来なくなってしまうのではないか。

  お店にとっていつも満員というのは、良い食材を安定して仕入れることができるなど、売り上げだけではないメリットもあるのだろうけれど。それに、日本料理が幅広い層からもっと注目されるようになるのは、日本料理を心から愛する人間にとっても、願わしいことには違いないのだが。

  ともあれ、おめでたいことではあります。