先日、9時半まで仕事をしたあと、新快速に飛び乗って東淀川の焼き鳥屋「とりや圓」に向かった。年内に、この日を逃して行く機会は無かったからだ。年が明けたところで店が消えるわけではむろんないのだが、長いあいだ「圓」のヤキトリを食ってなかったので、やや中毒症状を呈していた気味合いがある。
この日は鶉があって大満足。懐石の煮物(これは実がたっぷりのおつゆのこと)の丸でも、フレンチ風の煮込みでも、イタリアンのローストでも、メニューにあれば必ず食べるほどの鶉好き。雅趣あふれる香気がたまらない。
いつもよりはずいぶん酒をひかえたとはいえ、付き合ってくれた同僚とその相方さんとたわいない話に興じているとあっというまに終電の時刻を逃してしまう。
こんな時はもちろん朝まで・・・といいたいところだが、翌日も早くから用事があるので、この日はMKタクシーにてご帰館。往復の交通費9000円を上乗せしたら、ずいぶん高くつく焼き鳥ではあったが、タイトルどおり、今年名残の鳥である。
待つ店で焼けゆく鳥の香をかげばとばす車の代はものかは
「待つ宵にふけ行く鐘の声聞けばあかぬ別れの鳥はものかは」(新古今、小侍従)の下手なパロディーでございました。