卯年の卯酒

  皆様あけましておめでとうございます。本年もあいも変わりませず、読んだり呑んだりのお話をお届け致します。

  で、さっそくながら正月の献立。

  煮物は煮染め(海老芋、こんにゃく、牛蒡、人参)と炊き合わせ(鯛の子、百合根、高野豆腐、絹さや)の二種。

  生ずし 鯖、鯛
  焼き肴 真魚鰹西京漬、鰤粕漬け
  酢の物 赤海鼠
  和え物 鳥貝と菜の花の辛子酢味噌和え
  これにごまめ。購入したのは千枚漬け・酢茎、それに兵庫の『三笠屋』の焼き通し蒲鉾「吉兆」(これはハモのすり身だけを用いた一品。最高の板わさとなる)。関西の家庭のおせちとすれば、尋常な品揃えというところか。尋常でないのは、三十七にもなろうかというオジンが全部これを作ろうという点にある。

  例年、一番力を入れるのは生ずし、焼き肴なのだが、年末の大荒れの天候のために、魚の入荷が悪いこと悪いこと。東山市場をかけずり回ってなんとか乗り切ったような次第。

  元旦の夜は、阪急六甲のすしや「彦六」さんで、顔なじみのお客さんと一緒にたらたら呑むのが我が吉例となっているが、この日は礼節を弁えない輩が一人混じっていたので早々に引き上げ。とはいっても、帰宅するまでに、あちらで三合、こちらで五合、と丸橋忠弥をきめこむ。


  二日は昼過ぎから延々と鳥鍋。秋田の比内鶏を丸ごと1羽購入、さすがに歯ごたえもコクも違う。なによりあぶらの香り高いこと。こいつで一升、そこからワインにうつってさらにのむ。


  今年もまたこんな感じで。