憂鬱な清盛

 一昨日から祇園祭が始まっている。といっても、京都の八坂神社ではなく、それより古い(!)らしい兵庫区祇園神社のほうである。

 日本で一等有名な八坂神社の祭礼には引き比べるべくもないけれど、かなりの数の屋台が出ている。相変わらず湿気はすごいものの、夜風が出て少しはしのげるようになった頃合いを見計らい、藍微塵の単衣にちょうど一年前の記事(「シュルシュル、パーンの夏」)で書いた白の献上帯をしめて参詣した。一年たって、帯がよく体になじみ、しめやすくなっている。

 マンションから祇園神社に通じる路地に、勝海舟の寓居だったという日本家屋があり、夏は喧しいほど蛙の声がきこえていた。

 それほど庭の前栽や泉水が豊かだったということなのだろう(入ってみたわけではない)。しかし、この日久々に前を通ってみると、いかにも由緒のありそうな切妻の屋根を持つ門はじめ、跡形もなく整地されてしまっていた。散歩の愉しみがひとつ減ったことになるわけで、残念である。

 その代わりというわけでもないのだが、平野の交差点には、どこか松山ケンイチの面差しがある、しかしホンモノとは異なりいたって醜悪な清盛像が建ってしまった。兵庫駅前のジムや東山市場に行く時には、ということはほぼ毎日この交差点は通るだが、目を背けたくなる。

 すさぶる神スサノオさま、どうぞ御神威あらたかに、かの憎むべき像に雷火下して一山の金属の塊となしたまわれ。

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