hitasura

 霜にあったあとの葱の甘さ、上手に漬けた水菜のしゃりしゃりした歯触り、とけして冬だって旨い野菜がないわけではないけれど、そしてはっきり夏より冬が好きという性分ではあるけれど、野菜だけはやはり夏のほうに軍配があがるようである。

【新蓮根の白煮】
・蓮根の皮をむいて乱切り。水にさらしたり酢水に浸けたりする必要なし。
・鶏ガラと昆布・鰹で濃い目のダシを引いておく。
・ダシでことこと蓮根を煮る。味付けは酒と塩を主体に、薄口醤油はほんの香り付け程度。甘味を入れると単なる筑前煮風の味になってしまうので、けして入れてはなりませぬ。

【胡麻和え】
・三度豆は柔らかく茹でて半分に切っておく。
・茄子は皮ごとこんがり焼いたあと、皮をとり、一口大に切る。熱いうちに切ると中のおつゆが流れてしまうのである程度冷ましてから。
・黒胡麻はフライパンで煎った後、三分の二の量をとりわけ、よく当たっておく(ねっちりしてくるまで)。残りは形が残るように切りごまにし、あたり胡麻に合わせる。
・煮切り味醂赤味噌をどろどろに溶いたところへちょっぴり濃口醤油を落とし、胡麻と合わせる。茄子の水分を考慮して、あまりゆるくならないようにする。
・三度豆、茄子を和え衣で和え、食べしなに山椒をふる。

【紅奴その2】
・完熟トマトを湯むきにして、一口大に切り、肉味噌を混ぜる。そんな手間のかかるものではないし、よく保つし、肉味噌は手製にこしたことはない。拙宅では目下、友人が旅行土産にくれた、少し辛味のきいたものを愛用しています。
・長ネギをみじんに切って肉味噌=トマトに混ぜる。
・木綿豆腐(絹ごしよりこちらのほうがよさそう)に肉味噌=トマト=ネギをかけ、豆腐をつぶしながら食べる。
※紅奴その1は「太郎の梅熟れ 次郎の鮎肥え」の項をご参照ください。

【ずんだ和え】
・(出来れば活けの)巻海老の殻を剥き、身を一口大に切ったら、塩少しを溶かした清酒(呑んでおいしいものを使う)に浸けておく。そのあと、熱湯で霜降りして氷水にとり、水気を切る。
・干し椎茸を戻したあと、昆布・鰹のダシに薄口醤油でごく淡く味を付けた煮汁で煮含める。その後汁気をよく絞って繊切りに。
・人参(これは夏野菜ではありませんけど)は繊切りにしたあと、立て塩をして、よく絞っておく。
・枝豆は色よく茹でた後、歯触りを残すようにしてあたっておく。味付けは塩と砂糖(ごく控え目に)で。
・前記の材料と、生麩をずんだ衣で和える。

 これだけあればかなり腹もくちるでしょうが、肉っけが無くても淋しいものなので、これも今が旬の烏賊を中はまだ生くらいで湯上げにし、辛子マヨネーズで和えたもの、鳥もも肉の酒蒸しでも。ビール、冷酒、白ワイン、焼酎なんでもいけますよ。ブログ子は全部呑んで翌日えらい目に遭いました。