昼下がりに琵琶湖一周。(承前)

 実は三宮『いたぎ家』にて「滋賀酒を楽しむ会」というイベントに参加する予定があったのである。スタートは午後一時。たしか前日家にたどりついたのが午前五時半。どうなりますやら。

 どうなるって、二日酔いになるに決まっているんである。午前十時に起きて、ダシを濃ゆーく濃ゆーく引いた八丁味噌の味噌汁(落とし卵と白葱)をがぶがぶ(という感じ)飲み、熱いシャワーを浴びる。ビタミン剤の類を片端から頬張る(という感じ)。

 あとはソファにぐんにゃり横たわって、前日『彦六鮨』に行く前に寄った古書店口笛文庫」で買った魯山人展の図録をぼんやり眺めて過ごす。よく言われることだが、魯山人の器は料理を盛り込んでいかに美しく見せるか、ということに専念して作られたものである。それをじっーと見ることで、少しは元気(この場合は何か食べたい、そして呑みたいという気分)が出るか、と期待していたのだ。ま、そのために買ったのではないけど。

 備前よりも、織部や志野がすばらしい。効果はそれなりにあったと見えて、食欲満々というほどではないにせよ、動けるほどの力は戻ってきた気がする。

 お祝いとして、松江『李白』蔵の本味醂一升瓶を提げていざ三宮は東門街東入ル『いたぎ家』へ。

 誘っていた空男氏はじめ、客はすでに全員来ていた。当方が参加予約した時は、人が集まるかと兄弟と奥さん(以下じゅんチャン)で気を揉んでいたけれど、大盛況なり(もっともそんなに大きな店ではない)。

 料理は弁当の形式で並んでいる。それにおでんと天ぷら(注文に応じて揚げる)が付く。これに滋賀の酒が六種類出て四千円はかなりのお値打ち。ま、まずは儲けよりも知名度を上げて客同士の交流を盛んにする、という趣旨なのでしょう。

 なんだかしどろもどろの兄店主(以下アニさん)の挨拶に料理担当の弟(以下オトさん)が突っ込みを入れ、ついでにこちらも半畳を入れ、和気藹々のうちに会はスタートしました。はじめに利き酒ゲームがある。「病み上がり」ではあり、どうせ当たるまいとは思いつつも、考えてるとやっぱり熱中してしまうのがこの種の遊びの不思議なところ。ちょっぴりどきどきしながら「答案」を提出したところ、たしか十四名の出席者中、全問正解はお一方のみ。全員から拍手を受け、アニさんからは賞品である燗瓶をもらってのコメントに曰く「二十年滋賀に住んでましたから」。あれえそうするとアタシも先月余呉と長浜に行ってたんだけどなーと論理的にいぶかしむ鯨馬子。ちなみに成績は三種のみの正解。同数正解の空男は「口がカラカラになってたところに呑んだから味が分からなかった」と未練がましく分析しておる。大体コトが済んでからの言い訳が多いのだ、この男は。

 あとはひたすら残った酒を呑むのみ。この辺になってくると、当方かなり調子が出て来たというか、調子に乗ってきたというか、かっぱかっぱとお代わりしております。それにしてもじゅんチャンの強いこと強いこと。前夜にも『播州地酒ひの』で呑んできたというのだが、呑んだお酒をみなスマホで撮影していたのを見せて貰っていると、画面を繰っても繰っても終わらないという感じであった。今日は今日でぴんしゃんしてるしなー。いや感服致しました。

 中盤はなんだかいつまで経っても一升瓶の中身が減らないように見えて、最後のほうになると「あれもう無くなっちゃったの」と思うのはいつものことである。後ろの席でわいわいと呑んでいた神戸薬科大の学生クンたちにもビールを奢ってがぶがぶと続けて呑む。酒で粘った口に、サッポロの瓶ビール(赤星というヤツである)がまた旨いのだな。

 途中なぜだか急に腕相撲大会があったり、オトさんの腹に全員が突っ込みを入れたり(水泳をやっていた昔から五十キロは増えたそうな。それはつまり倍ということではないか)、楽しい会であった。空男は後半カウンターにつっぷしておった。わはははは。

 アニさんじゅんチャンオトさんおつかれさま、いい会になって良かったすね。ますます精進なさって下され。薬科大のダイスケユースケヨースケスケナシくん、店であったらまた騒ぎましょう。

 空男は・・・空男は酒の修行をしてください。

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