年頭所感、のようなもの

 ついに四十路に突入する今年、年齢を考え・・・ずにめいっぱいバカをすることをここに謹んで誓います。

 年末年始は世間並みの九連休、三十日のワインパーティー・元旦昼の友人が働いてるバー挨拶、同日夜の六甲「彦六鮨」、二日晩の比内鶏鍋は例年どおり。それもふくめて三回は朝八時?十時?まで、つまりぶっつづけに十二〜十四時間くらい遊び回っておりました。

 それ以外はひたすら『特選&新選古今亭志ん朝全集』(CD)をきいて愉しんでいた(むろん自宅でも酒は呑んでおります)。落語、正確には古典落語は音楽のようなものだな、とつくづく感じた。ちょっとした「音」の出し方ひとつの積み重ねが全体の出来に響いてきている、そんな芸なのだ。たとえば『』、女房の羊羹の出しようが悪いと叱る時のせりふで「きどれきどれ」、これだけで笑えるんだから、やっぱり凄い人だったのですね、志ん朝さん。むかし神戸・大倉山の文化ホールで『へっつい幽霊』を聞いたときの溌剌たる口跡がなつかしい。

 今年はもひとつ、「年中行事」というものを、ただし料理の面に限ってだが、忠実にフォローしてみようとも思っている。たとえば今日は無論七草がゆ。これは和食が世界遺産に登録された、そのことに対するぼくなりの反応のつもりである。

 そのいわば前哨戦として、正月料理は位置付けられるのだが、そしてその限りでいえば伊達巻きやきんとんもこしらえる必要があるのかも知れないが、我が家のおせちもだいたい同じ品揃えでもう何年もきているし、大体食べないものを作っても仕方がない。というわけでほぼ例年どおりのものとなった。

○お煮染め(蓮根・ごぼう・こんにゃく・京人参・干椎茸・海老芋)=変哲もないものだからこそ、素材と調味料、それに出汁はよいものを吟味する必要がある。出汁は昆布・鰹・鯖・鶏ガラ・干椎茸。

○鯖きずし・源平膾=酢に浸すのはほんの二,三分。あとはよく酢を切ったあとラップフィルムでぴっちりくるんでじんわり〆る。

○なまこ酢=コツといえば薄く薄く切ることと、柚のしぼり汁をけちらないことくらいか。

○炊き合わせ(百合根・高野豆腐・鯛の子)=鯛の子の下処理(血管をつついて塩水にさらす、下ゆでしてまた水にさらす)で手を抜かない。こちらは昆布・鰹でうんと上品に仕立てる。

○ごまめ=ぽきんとすぐ二つに折れるくらいになるまで気長に炒る(鷹の爪と。もちろん蛍火)。出汁は酒を主体に濃口醤油少々、味醂滴々。一気に煮詰めてぱらぱらに仕上げる。仕上げにちょっぴり黒酢を落とす。

○くわい揚げ煮=さらしてアクをぬいたくわいを柔らかになるまで蒸して、胡麻油(白絞)で揚げ、濃い目の出汁で煮付ける。

○塩タン=これは初挑戦。牛のベロ一本、1.2キロ分を使用。といっても要は①塩漬けする、②塩抜きする、③茹でるだけの話。この時期だと一週間前から漬け込んでおく必要があります。ハーブ、スパイスはお好みで。胡椒以外にクローヴは欠かせないかと。

○真魚鰹西京焼=自分で漬け込んだほうが市販のものより圧倒的に旨い。けちけちせず、身の厚いやつを買ってきましょう。

 店(通販)で買ったのは以下の通り。

 焼き穴子、干口子・生このこ(この、口子とこのことの呼び分けがよう分からん)、チーズ、酢茎、焼き通し蒲鉾(新開地「三笠屋」。今年は鱧が少なかったそうで、ぎりぎり注文が間に合った)。

 酒は「萬歳楽白山」、「初孫魔斬」、「奥丹波木札」、その他ワイン2本、シーバスリーガル(の日本向けプレミアム水ナラ仕様とかいうやつ)、ビールがぶがぶ。この新年は一人で過ごしたから、まあまあの成績である。

 今年は甲午(きのえうま)。干支にちなんだ吉例・賀状の戯れ歌は、

 鼻唄でかざすつんつら椿の枝(え)うま酒酌んで世をば渡らむ


 本年も暢気な内容が続きますが、御笑覧くださいまし。
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