すべる宗匠

 前回書いたとおりでいくと、今日は小豆粥を食べる日に当たる(『東都歳時記』には「貴賤今朝小豆粥を食す。」とある)。出勤前に粥を炊くというのも悠長な話だが(雑炊ではないから、もちろん米から炊く)、朝は得意なほうだし、火にかけたあとはほっtらかしでいいから出来上がるまでに朝風呂に入っておけばいいのである。

 こういう「行事食」であれこれならべてしまうと普段の食事と変わらなくなってしまうから、おかずは沢庵(しょっぱいのを細く刻んで胡麻をかける)と山椒味噌のみ。まるで禅寺の食堂(じきどう)のような食卓になってしまった(いや、禅寺はもっと質素かな?)。
でもことこと丁寧に炊いた「おかいさん」は当たり前だけど熱くて柔らかくて、その上豆が入っているのでコクもある、でもやっぱり粥なのだから淡泊である。昨晩は三宮の焼き肉屋で内臓系を堪能していたから、「行事食」というのではなくて美味しくいただけた。

 しかし先週末からほんとに寒かった。昨晩も自転車で帰宅していると、顔が凍り付きそうになってしまった。

 この自転車の話を今回はちょっと書きたいのですが、じつは年末、おせち材料の仕込みに東山商店街に行った時、とめてあった原付の鍵を壊されてしまったのである。

 いい加減乗り古したロートルではあり(オイルを入れる栓だって無くなったからワインのコルクで代用しとります)、ここらが新車への買い換え時かとも思ったものの、一応バイク屋に持っていくと意外に安い値段で修理してくれるというので、頼むことにした。ところが年末なものですから、業者が休みに入ってしまっている。ま、こちらとて九連休だったから、通勤の不便はなかったとはいえ、普段の買い物なんぞに一々歩くのもめんどくさい。

 そんなわけで自転車を買った。こういうモノにはこだわりを持たない質なので、コーナンブランドのお手頃なもので片付けている。ところがこの安チャリが結構楽しいんですな、乗ってみると。原付でも歩いているのでもない速度で周りの風景が流れていくのが何となく物珍しく、原付だとエンジン音にかき消されて聞こえてこない種々の音に耳をとめながら走れるのがまた嬉しい。先日はよくいく三宮の食べ物屋のご主人(向こうはバイクに乗っている)に交差点で挨拶されて驚いた。多分こちらが原付だと(ヘルメットかぶってることもあるし)互いに分からなかったんだろうな、きっと。

 自転車による交通事故が増えているそうだが、乗ってみるとなるほど、と思う。小回りがきくのでつい信号無視とか道路横断とかしたくなってしまうのだ。

 それさえのぞけばまことに快適な「相棒」で、鍵が無事修理された原付が戻ってきたあとも結構ひんぱんに自転車を使っている。そのおかげでほぼ毎日のように股がパンパンなのにはやや忸怩たるものを感じますが。


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