枯葉よ・・・

 安部礼司的に四海波静かなる日々を送っているので、あっという間に二週間も更新せずに過ぎてしまう。計画減量中だから、あんまし食べ物屋の話で語るようなこともないしなあ。あ、一軒炭焼き料理とイタリアワインの店でちょいといけるところを発見したが(鳩や野いのししなど、好物を置いてくれている)、気になる方はご自分でお探しくださいね。ことほどさように万事に懶いのは、秋の愁いのせいか、それともダイエットで血糖値が下がっているのか。

 最近読んだ本を掲げて責めをふさぐこととする。まあ、別に書かなくてはいけないものではないのだけれど。もちろんかような無精ブログを読む義理なぞございませんから、ご用とお急ぎの方はぽちっ。とページを切り替えて戴いて構いません。

東洋文庫編『記憶された記憶』(山川出版社
塩村耕編『文学部の逆襲』(風媒社)
◎斯波照雄『西洋の都市と日本の都市どこが違うのか 比較都市史入門』(学文舎)
◎高埜利彦『天下泰平の時代』(シリーズ日本近世史、岩波新書
◎プルーデンス・ジョーンズ、ナイジェル・ペニック『ヨーロッパ異教史』(東京書籍)
◎ダン・クライアン他『ロジックの世界 論理学の哲人たちがあなたの思考を変える』(講談社ブルーバックス
◎小林英夫『関東軍とは何だったのか 満州支配の実像』(KADOKAWA)
和田誠『ぼくが映画ファンだった頃』(七つ森書館
橋爪大三郎『教養としての聖書』(光文社新書
大田俊寛『宗教学』(ブックガイドシリーズ基本の30冊、人文書院)…ホッブズの著作が入るなど、視点が清新。
狩野博幸編『江戸の動植物図譜』(河出書房新社
◎『ランペドゥーサ全小説 附・スタンダール論』(作品社)…岩波文庫で新訳が出たと思ったらまたもや原典訳。河出版(英語からの重訳)を高校生の時に愛読していたが、印象で言えばこちらの方がシチリアの地方色が薄いような。スタンダール論は、批評技術の切れ味はないものの、信仰告白として面白く読めた。
◎ルイス・ダートネル『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』(河出書房新社)…期待外れ。と思ったのはこちらが根っから人文学的な思考体質だからか。「この世界が消えたあと」の設定のラフさと紹介(啓蒙?)される科学技術の精細さとのギャップが気になって、なんだか壮大な冗談を聞いているようである。
◎アンソニー・グラフトン『テクストの擁護者たち 近代ヨーロッパにおける人文学者の誕生』(bibliotheca hermetica叢書、勁草書房)…この叢書の監修者であるヒロ・ヒライという方が編集した「ミクロコスモス 初期近代精神史研究」という論文集を読んだことがある。日本の若手がここまで精緻な研究を行っているんだなあ、と思った(なんという大づかみな感想)。
◎アポストロス・ドクシアディス, クリストス・パパディミトリウ『ロジ・コミックス : ラッセルとめぐる論理哲学入門』(筑摩書房
◎野中涼『文学の用語』(松柏社)…今時個人でこの種の事典を出すとは・・・と思って手に取った。・・・なんというか、抱腹絶倒の奇書ではないだろうか。最初は「なんじゃこれは」とヘキエキするのだが、読み進めるうちに段々癖になってくる。『新解さんの謎』を書いた赤瀬川原平さんの気持ちがよく分かる。

 まだまだ冷めぬイタリア熱を癒やすというよりはぶり返させる本としては、内田洋子さんの一連のイタリアものエッセイ。体験の質も凄いし、それにたとえていうならズボンにしっかりプレスが効いたような文章も快い。好きになった著述家は、全著作をすぐに読み尽くしてしまう性分なので、目下タネが尽きて困窮している次第。
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