かっちょいいのか。

 神戸市立博物館「我が名は鶴亭 若冲、大雅も憧れた花鳥画(かっちょいいが)!? 」展。企画に携わった知人によると県立美術館の「鉄斎」展はあまり人が入らなかったとのことだが、市立博物館の方は土曜日の午後らしい混み具合だった。現在不可解なほどのブームであるらしい若冲の名前が入ってるからかな? 


 鶴亭なる画家、恥ずかしながら知りませんでした。黄檗の坊さんかつ画人・俳人ということで、禅宗関係は苦手だからこれまで敬遠の気味があったとしても、大雅や蒹葭堂とも交流があったヒトとあって、まったく聞いたこともなかったのはこちらの不勉強という他なし。


 題名どおり、花鳥画が中心の出品。松に鷹など固定した意匠に、寓喩性を込めないと(鷹は権力者、とか)いけないらしく、そこら辺をどう処理するかというところに画人の力量のほどが見える・・・のでありましょうが、うーん、こういう種類の画を見つけていない人間にとってはかなりしんどい代物でした。むしろ、鶴亭の画業の中では傍系に属する「松に茘枝図」とか(取り合わせが新鮮)、「花木図押絵貼屏風」とか(ソテツやバショウなどがなんとなく不逞の気を放っている)が愉しく見物できた。他にも沈南蘋と熊斐の作が並べてあるのを見比べ、やはり日本人の手にかかるとどことなく飄逸で瀟洒な(その分線が弱い)趣になってしまうのか、ほほーんとか妙なところで感心したり。そうだ、鶴亭宛大雅の書簡は抜群によかった。それほど崩してはおらず、端正に字を並べているのだが、この字が、文雅で清麗で見飽きない。なんでもいい絵や書を見るとすぐに酒が呑みたくなるという悪癖があるのですが、この名筆なら、そうだな、白磁の大ぶりの盌で冷や酒をぐいっとあおりたいものである。大雅といえば、期間の前期には万福寺蔵の「五百羅漢図」も出品されていたようである。惜しいことをした。


 完全に鶴亭さんを置き去りにした恰好となった。つまらない画家という感じではありませんでしたよ。ただしキャプションの付け方の趣味がすこぶる幼稚で不愉快だったけれど、もちろんこれは鶴亭さんのせいではない。だいたい、展覧会の名前からして悪趣味である。「花鳥画(かっちょいいが)」なんてダジャレ、カッチョイイと思ってるのか?

 この日は、夜、同僚六人と天満の焼き鳥屋で呑んだ。このところ半分大阪浪花の住人になったような呑み方をしております。

【ランキングに参加しています。下記バナーをぽちっ。とクリックしていただけると嬉しう存じます!!】
にほんブログ村 料理ブログへ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村