水、水、水

第一部 或る喪失

 早朝から水槽のメンテナンス。グッピーはこのところやたらと数を増やしているが(冬はあんまり子どもを生まない)、ビーシュリンプが激減していたことが分かってしょげかえる。せっかく稚エビも孵化してたのになあ。水温が高くなっていたのだろうか。夜更け、ハイボールなんぞをちびちびやりながら、こしょこしちょかちょか動き回る稚エビを見ていると、自分がヤハウェにでもなった気分ですこぶる愉快だったのですが。

第二部 或る喪失・又

 昼からは水汲みなので、水槽の掃除を終えたあとは急いでプールへ。時々話すオバチャンから、Mコーチがジムを辞めたことを聞く。Mコーチは息子くらいの年齢ですが、当方にとっては水泳の唯一にして無二の師匠であった。「ボク、頭わるいっすからー」とからから笑いながら、素人に筋肉の使い方を理解させるべく、一生懸命喩えをひねり出す表情に風情があってよろしかった。まがりなりにも四泳法をマスターできたのはすべてMコーチのおかげである。なんでも海上自衛隊に入隊し、敦賀の基地に赴任したらしい。元々「海猿」になるのが夢で何度も試験を受けていたが、「ボク、頭わるいっすから」何度も落ちていたことまでは知っていた。海上保安官から海自隊員ちうのが、どれくらいつながるものか、当人ならぬ身にはもひとつぴんと来ませんが、何にせよ、入った上は立派な自衛官になってください。
 この日のプール、休日はいつも人少なだが、この報せを聞いた後はひとしお深閑としているように思いつつ二時間近く泳いだ。

第三部 或る発見

 で、午後からは水汲み。いつものように空男氏が車を出してくれる。これぐらい気温が高いと、湧き水の冷たさ清らかさがなおのこと貴重に思われる。ここの水が涸れたら、生きていく自信がないな、わたしは。
 ホームセンターで買い物したあと、空男の発案で元町にあるワイン屋へ行く。何度も通っているはずの通りなのだが、こんな所にこんな良い店があったとは、という印象(『いたぎ家』アニーに話したら「そんなんみんな知ってるでしょ」という感じであしらわれて憮然とする)。友人の誕生日が近いので、贈り物としてトスカーナの赤を一本買う。もっとゆっくりイタリアワインについて教えて貰いたかったけど(店主がいい感じのおじさんなのです)、なにせワインのためにうんと冷房を効かせているため、水汲み仕様で軽装の鯨馬はものの十分で芯まで冷え切ってダウン寸前だったのである。今度はジャケットかパーカー持参でゆくべい。
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