奇襲のキッシュ

 まだまだ中華フィーヴァーが止まらない。先週木曜日には、海月夫妻と住吉『自然派中華クイジン』さんへ。

 敬士郎さんの覚え書きを拝借して、献立を記す。
・鯨の椒麻ソース、秋鮭雲呑のみぞれソース、よだれ鶏、シャコの香味醤油、叉焼肉、牡蠣のベーコン巻金砂粉、海老と枝豆の紹興酒漬け
・子持ち鮎の揚げ物ハイビスカスソース
・秋刀魚のトウチ蒸し
・豚足と冬瓜の白湯煮込み
・牛すじ入り麻婆豆腐
・ライチをお肉で巻き込んだ黒酢酢豚
・鱧と湯葉と松茸のあんかけ炒飯
・南瓜と金木犀の焼きアイス〜ココナッツアイスのせ、ピオーネとクリームチーズのゴマ団子、杏仁豆腐梨のソース、無花果のアイス

 敬士郎さんの「解説」を聞きつつ、芝田シェフの料理を愉しむ(一体に野菜の使いかたが上手で感心した)。イチローの解説付きでメジャーリーグの試合を観戦するようなものか。または中村元さんのガイドで水族館を見て回るようなものか。友人と話しながらの食事はいいもんである。

 二軒目、敬士郎さんが連れて行ってくれたバーも良かった。神戸駅近くなのでまた行けるね、ここは。


 土曜は呑み友だちの誕生日ディナーを『海月』さんで。

・前菜盛り合わせ(海鮮ユッケが旨かった。卵黄を紹興酒に漬けるというのが面白い)
・バターナッツかぼちゃと干し貝柱のスープ
・揚げ物(松茸と鱧の春巻、オクラの花で麻婆茄子を巻いたもの)
・足赤海老のチリソース
・アコウの姿蒸し
・秋刀魚の燻製のアクアパッツァ
・鴨とクレソンの炒め物
・キッシュ

 このキッシュが一種の傑作であって、というのもオッサンふたりでもあり、「デザートは抜き、それでどこかに誕生日祝いの要素を」と敬士郎さんに注文していたのだが、正直どうなるんだろうと思っていたところに、このキッシュが出てきたのである。中身は上海蟹の身のほぐしたもの。吊り橋型(?)にメッセージをぶら下げた蝋燭を灯して登場。風伊氏も「これ、面白いわー」と大満足だった。洒落た趣向である。


 偶然の機会に恵まれ、この日、敬士郎さん夫妻との次回のお出かけ予定も決まる。


 という感じですこぶる気持ちよく食事と酒を堪能したのでしたが、食中一度風伊氏と言い合いになった。○○、とこちらの名をあげて、「影響で、少しは意識高い系になれた気がする」。


 ファシストとか破廉恥漢とか言われるならともかく(幸いどちらでも無い、と思う)、「意識高い系」とは当方の人としての体面に関わる、前言撤回ありたし、と反論したのである。


 「エコ」だの「ビオ」だの「オーガニック」だの「手づくり」だのということば(咒文?)を見ると、何かひどく禍々しい、邪悪なものを目にしたように、えづきたくなる(そう言えば、『エコエコアザラク』てマンガがありました)人間に「意識高い系」とは手ひどい侮辱ではないか。


 一体に虚弱体質の方であって、「反戦」「護憲」と聞くと頭痛目眩に襲われ、「市場原理」「スキルアップ」と聞くと蕁麻疹が出て、「愛国」「保守」と耳にすれば途端に腹を下してしまうのである。カラダ弱いネン。


 では如何なるものならアレルギー反応出でざるや、との風伊氏の問にしばし黙考して曰く、「『濡れ手で粟』。」なりとぞ。

 

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