好きな季節が終わった途端に花粉症が始まって気分までどんより。元々メランコリイが昂じる時分ではあるし。家にメンはおらんがせめて桃の節句にかこつけた料理を作って自ら慰めるべし。
ただし今年は仕入れの都合上(出勤だった)、古式には遠く、すなわち題して「贋作・ひな料理」。
○ばらずし … の代わりに押し寿司。最近買ったばかりの木型を使いたくてしかたなかっただけのことだけど。鯛や針魚(さより)のきずしが一等相応しいのだが、上述の理由でいかなご(家で釜揚げにした)を用いた。他はすし具(牛蒡・椎茸旨煮)・そぼろ玉子・蓮根甘酢・独活の梅酢漬・兵庫えんどう。
○蛤の清汁 … の代わりに蜆の味噌椀。吸い口に粉山椒は蛤と同じ。
○小鰈の焼き物 … の代わりに鰆の幽庵。酒・味醂・醤油の漬け地に柚子をしぼり込む。木の芽焼きのほうが季節感出たかな? 鰈の可憐な風情には欠けるものの(結構身の厚い鰆でした)、漢字を想いうかべ早春の気分にひたる。
○菜の花の辛子和え … の代わりに黄ニラと新若布の辛子酢味噌。今しか出回らない黄ニラの香りを大事にして、辛子は抑えめにする。
おあとタラの芽の天ぷらと、本日ご開帳の新沢庵は別段ひな祭と関係なし。あ、そうそう、
○白酒 … の代わりに黒松剣菱。もっとも白酒なんぞ呑んだことはありませんが。
召しませと雛(ひいな)さゝめく昼座鋪 碧村
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