魚菜記

 ようやく水槽を立ち上げることが出来た。生体はアフリカンランプアイをメインに、透明系のカラシンミナミヌマエビ水草は、百二十センチに二十種類で、大概のアクアリストが憫笑されそうな、とりとめのない水景だが、もともとこちらが雑草が生い茂る原っぱを理想としているので、これで、いいのである。

 バルコニーでも色んなハーブやら野菜の苗が根付きつつある。ただなにせ本当に前後左右何もないマンションなので、思った以上に風が強く、一度胡瓜の茎を折ってしまったのはむごいことをした、と反省。

 外に飲みに行けないからやむなく熱帯魚やらハーブやらの世話にかまけてる・・・わけでもなくて、うーむ。俺は元々飲みに行かなくても良い人間だったのではないか(酒を止めるわけには非ず)、と思い始めてるのがアブナイ。こーゆーヤツが増えたら、「平時」復帰後盛り場はどうなることやら。

 


○『Newton 別冊 絵でわかるパラドックス大百科 増補第2版』(ニュートンプレス
○瀧井一博『伊藤博文』(中公新書)・・・「知の政治家」の側面を強調。天皇制を国家組織に関連付けようと腐心した、という記述が勉強になった。
○本田創・高山英男『はじめての暗渠散歩』(ちくま文庫
山口瞳江分利満氏の優雅な生活』(ちくま文庫
○フィリップ・フォレスト『洪水』(澤田直訳、河出書房新社
デイヴィッド・ミッチェル『ボーン・クロックス』(北川依子訳、早川書房)・・・環境破壊などで終末を迎えつつある世界を舞台にした最終章の出来がやや落ちるが、世界幻想文学大賞にふさわしい。中年の作家を扱った一章がことに秀逸。
○ジョン・ランチェスター『最後の晩餐の作り方』(小梨直訳、新潮社クレストブックス)
○米虫正巳『自然の哲学史』(講談社選書メチエ)・・・自然の自己完結性、技術との二項対立を執拗に疑う思考こそがむしろ西洋哲学の本流に潜在していたことを説く。
○今井むつみ『英語独習法』(岩波新書)・・・たいそう売れているらしい。かなり本質的な議論を展開してるんやけどなあ。
都筑道夫『吸血鬼飼育法 完全版』(日下三蔵編、ちくま文庫
○ローレン・グロフ『丸い地球のどこかの曲がり角で』(光野多惠子訳、河出書房新社)・・・アメリカの小説読むたびに、身の回りの自然の勢いというか、威力に感嘆する。米虫さんの本ではないが、ヨーロッパとアメリカでも「自然」の肌合いは違うんだろうな。
○大沼宜規『考証の世紀』(吉川弘文館
○西田知己『血の日本思想史』(ちくま新書
永井均内田かずひろ『子どものための哲学対話』(講談社文庫)・・・『翔太と猫のインサイトの夏休み』『マンガは哲学する』系列の本。「上品」の定義が面白い。動物園で見る動物の威厳にいつも打たれるのだが、こういう補助線があるとすっきり納得する。これこそ哲学の真骨頂。
○ジョナサン・シルバータウン『なぜあの人のジョークは面白いのか?』(水谷淳訳、東洋経済新報社)・・・題名に関してはさほど収獲なし。いくつか使えそうなジョークを収集。
ブルーノ・シュルツ『シュルツ全小説』(工藤幸雄訳、平凡社ライブラリー
○若月伸一『聖人祭事紀行』(八坂書房
安岡章太郎『自叙伝旅行』(角川書店
○ウィリアム・シットウェル『食の歴史』(栗山節子訳、柊風舎)・・・お勉強。
○アンドリュー・リマス他『食糧の帝国』(太田出版)・・・お勉強。
○江後迪子『信長のおもてなし』(歴史文化ライブラリー、吉川弘文館)・・・お勉強。
○江後迪子『長崎奉行のお献立』(吉川弘文館)・・・お勉強。
○奥村彪生『日本料理とは何か』(農山漁村文化協会)・・・お勉強。
鶴岡真弓ケルトの想像力』(青土社
沓掛良彦オルフェウス変幻』(京都大学学術出版会)・・・沓掛先生、お元気!というか、枯骨閑人、少し老残の嘆き節をいうのが早すぎたんですね。
○吉田一彦他『神仏融合の東アジア史』(名古屋大学出版会)
長谷川ヨシテルポンコツ武将列伝』(柏書房)・・・一部の歴史シミュレーションゲームマニアに大人気の小田氏治、戦争に弱いという知識はあったが、居城を七たびも落とされたとなると、むしろそのたびに取り返していたしたたかさに目が行く。領民や家臣に慕われていたらしい。小説向けだなあ。
○谷晃『茶話と逸話』(茶書古典集成、淡交社
宮崎法子『花鳥・山水画を読み解く』(角川選書
○中務哲郎訳『フィロゲロス ギリシア笑話集』(叢書アレクサンドリア図書館、国文社)

あとは誰が何と言わなくても、

安田謙一『ライブ漫筆』(誠光社)。ロックもポップスも歌謡曲も全く聴かないけど、ともかく安田謙一の文章の中毒患者なのだ、ワタシは。こちらも行きつけの阪急六甲の某店にもいらっしゃるらしい。一度会いたい。そして呑みたい。

 

※Amazonでも書影が出てこない。。。

 

もうひとつ、

 

 

○『完全版 ピーナツ全集』(河出書房新社)をゆっくりゆっくり読み続けている。引越のときにマンガは全部売り払ってしまったけど(いしいひさいちの『ドーナツ全集』(!)は唯一の例外)、これも全冊持っておきたい。

 

 

 

 

 

 

今週のお題「おうち時間2021」