ひつじの歩み

 やたらと忘年会の多い年だった(それで二週間も更新してなかった)。とりどりに楽しかったが(職場全体の「公式忘年会」は除く)部下二人と行った、元町は鯉川筋『シェルハラ』の牡蠣まつりが良かったな。体調によってアレルギー反応を起こすから、生の貝は警戒してるのだが、牡蠣だけはなぜか大丈夫。厚岸と坂越の生牡蠣食べ比べに始まり(前者濃厚、後者清爽)、アヒージョ、天ぷら、焼き牡蠣、おでん等々と翌日ゲップをしても牡蠣の匂いがするくらい食べに食べた。酒が安いのもよろしい。

 忘年会そのものの話ではないけど(旨いのは分かってるから)、『いごっそう』でマスター・トミーがラーメン屋の御主人を紹介してくれたのも嬉しかった。

 鯨馬がラーメンとは!

 「オレはラーメンなんぞ食わない」と気張ってるのもなんだか野暮ったい気がしましてね。それに「食わないと気張る」のと「食わない」のは全然別のことなんだから、気に入らなければ単に行かなければいいだけである。そして紹介された『我流本舗』なるお店の煮干しラーメン、なかなか気に入りました。煮干しのパンチ力は大したものだと思った。トミーは「神戸でいちばん旨い」と言う。こちらはそもそもラーメン屋に入らないからそれはよく分からないが、ラーメンには冷淡な人間にも美味しく食べられたとまで報告しておきます。

 牡蠣と煮干しで一年の記事をしめくくるのも如何なものか。しかし今年は年末年始休みなく働いているので、市場への買い出しも酒肴の仕込みについても書くことがない。

 坦々と迎える新年。でも一週後には坦々とヴェネツィア再訪してしまうのである。

 最近読んだ本をあげて新・鯨飲馬読記、本年は打ち止めと致します。皆様どうぞよいお年を。

高山宏『近代文化史入門』(講談社学術文庫)・・・高山節炸裂。もっともこの著者は炸裂(錯乱?)しないような文章は書かない。
○ピエトロ・ベンボ『アーゾロの談論』(ありな書房)
○アン・ルーニー『数学は歴史をどう変えてきたか ピラミッド建設から無限の探求へ』(東京書籍)
○シルヴィア・ビーチ『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店』(河出書房)
立川志らく『落語名人芸「ネタ」の裏側  秘蔵資料三越落語会十一名人の「感どころ」』(講談社
○出口顯『ほんとうの構造主義 言語・権力・主体』(NHKブックス)
○ピエール・ブーレッツ『20世紀ユダヤ思想家』(みすず書房
○西園寺由利『長唄を読む』(小学館スクウェア
○W.B.イェイツ『幼年と少年時代の幻想』(英宝社
○ピーター・バーク『知識の社会史2 百科全書からウィキペディアまで』(新曜社
阿部公彦『善意と悪意の英文学史 語り手は読者をどのように愛してきたか』(東京大学出版会)・・・今や完全にわが「贔屓役者」。
スラヴォイ・ジジェク『事件!哲学とは何か』(河出ブックス)・・・哲学者がこんなに品がなくてよろしいのか。
○レイチェル・クーパー『精神医学の科学哲学』(名古屋大学出版会)・・・この訳題、どうにかならぬものか。
そして師匠の新刊。
野口武彦『花の忠臣蔵』(講談社
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