2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

加賀花尽くし

閲してみると、最後の金沢は騒動が始まるまえなのだった。つまりはそこから青森県にぞっこん惚れ込んで通い詰めだったわけですな。無論金沢に飽きるなどあり得るはずもなく、ただただ北陸新幹線開通で東京方面および外国の観光客で雑踏するのが煩わしかった…

昼と夜との花相撲

誕生祝いのメッセージを寄せて下さった皆様に、この場を借りて心から御礼申し上げます。 ○アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』(工藤順他訳、作品社)……小説(長篇)、今回はこいつが尤物。ロシア革命後の、にもかかわらず帝政ロシアの風格たっぷ…

松坂のダンナ~双魚書房通信(23) 菱岡憲司『大才子 小津久足』

戯作者山東京伝が京屋傳蔵としてたばこを商い、国学者本居宣長は内科・小児科の医師を以て日常の業としたことはよく知られている。生活の資を得るためであることは言うまでもない。ただその場合、あきんど・職業人としての顔はいわば身過ぎ世過ぎの表看板で…