2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

片道千円の旅

朝鮮通信使が恍惚とし、かのシーボルトが絶賛した瀬戸内の海は、前日からの大雨と風で黄土色に波立っていた。 まあ、おかげで他の観光客も無し。 久々の三連休だからどこかに行こうと思い立ったものの、思い立って金沢や長崎に行けるものでもなし、片道千円…

樹影譚

今日は休日。朝から晴天。 ですが、事情があり、怏々として心楽しまぬまま朝食の食卓につく。 浮かぬ顔には不釣り合いに献立は豪勢で、ほうぼうのちり鍋と真魚鰹の幽庵焼。ウドの胡麻酢和え。昨日、スーパーでほうぼうが五尾で498円だった。いくら旬は終…

病める富士

誰も他人の病気の話など聞きたくはないだろう。当方にしても、『馬読』と掲げながら、病中随筆めいた本ははなからごめんこうむりたいクチである。 今日は病気の話です。年二回の健康診断の結果が帰ってきたばかりなのである。これがまあ、血糖値も中性脂肪も…

二つの全集

今日(休日)の朝食。きんつば二つ。 昼はオムレツとワイン一杯。 前衛的な献立でしょう。昨夜から読み始めた本があまりに面白く、米を研ぐのも面倒で読みふけっていたからだ。メイン・ディッシュは『一海知義著作集』(藤原書店)第二巻と『定本久生十蘭全…

桃の花咲く村

折からの雨。連休明けの午前。 絶好の悪条件だなあと、えびす顔で石畳を踏んで歩く。近づくにつれ足取りが速まるのが、規則正しく敷かれた石畳の過ぎゆくテンポに見てとれて、我ながらおかしい。何も急ぐことはないぞと言い聞かせて道の向かい側の崖を見れば…

もとぶら

連休だけあって、元町商店街は昼前から観光客でいっぱいだった。 みなさん、どうぞ神戸でお金を落としていって下さい。 さて、地元の人間が混むと分かっているところに出かけたには訳がある。元町にある海文堂(素晴らしい書店)で古本市が開催中なのだ。ち…

川のある町

昼過ぎに起床。一点の非の打ち所のない宿酔い。 こういう時、どうするか。 嘆息ひとつ、そのまままた眠り込むのが普通だろうし、またそれが一番有効な方法なのだろうが、シャワーを浴びて、歩いて半時くらいの東山市場まで買い物に出かけることにする。 石川…