2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

双魚書房通信・二〇一四年回顧(4)

年を越したら前厄というのに、あんな没義道な仕打ちをしてくれる店で終わったのでは、いかにも幸先が悪いというもの。気を取り直してふたたび北野の『城助』さんへ。あん肝(そこここで出されるあん肝たぁ、あんの肝が違わい、といいたくなる品)はじめアテ…

コードネームは「椿」。

聞くならく、沙漠の神、火山の神であるヤハウェは、怒りの神・嫉みの神・裁きの神なりと。その祟りでもあろうか。 イエス生誕の前夜に、愛妻と二人、agnus dei、すなわち「神の子羊」に引っかけてラムのリブをローストし(ニンニクをたっぷりなすりつけて、…

なんちゃって赤穂浪士の会

前回(「なんちゃって金沢の会」)で懲りなかったどころか、調子に乗ったとおぼしくて、お客さまの人数を増やした上に会費まで取ってしまおうというのだから素人はおそろしいものである。しかも今回は『播州地酒ひの』さんまでお呼びしているのであるから、…

双魚書房通信・二〇一四年回顧(3)

チャトウィンは今やアイドルといってもいいような伝説的な書き手。多くは旅を題材にきらめくような(ブリリアント、と形容したいくらい)文章を残した。長いもので『パタゴニア』、短いもので『どうしてぼくはこんなところに』が双璧か。 訳者あとがきによれ…

遠くにありて思ふもの〜金沢旅行(3)

旅の最後は、ここも再訪となる鶴来の『和田屋』さん。今回も空室の都合が合わず(宿泊は原則二人から)、昼食のみとなった。 金沢市内で霰だから、鶴来まで行けば一面の雪か・・・と多少期待して駅を降りたところ、ここでも冷たい雨。歩いておよそ三十分。ふ…

「お一人さま」を究めたり〜金沢旅行(2)

二日目。『こいずみ』の天ばら(冷えてもおいしかった)とインスタントの味噌汁でさっと朝食を済ませて、尾張町裏にある泉鏡花記念館へ。大の鏡花好きだから十年ほど前に一度ここは訪れているが、大学院の先輩(鏡花研究者)から、山本タカトさんの展示がい…

犯罪者は北へと向かう〜金沢旅行(1)

半年ぶりの金沢旅行、初日はともかく天候に祟られたという他なかった。半年も無沙汰というので白山の姫神さまがご機嫌斜めであった、と解しておきたい。大阪駅に着くと皆さまご存じのとおり、低気圧に伴う強風のせいで乗車予定のサンダーバードが運休してお…