2016-01-01から1年間の記事一覧

年の瀬怒り日記

一月に友人の結婚祝賀会をする。会場は拙宅なので、当然料理も出す。これが『いたぎ家』ブラザーズとかをお招きするんだったら完全にこちらの趣味でハードな献立を組めるんだけど(ぜんぶ発酵食品のコースとかね)、今回の会は若い女性も多いからそうもゆか…

「謎は解けた」のか?

「読書にいそしむ」と言った翌日に、FFⅩⅤが発売になることを失念しておりました。コアなゲーマーではないけど、会社勤めの身でRPGをしていると結構プライベートの時間を喰われてしまう。またこの新作が、オープンワールドという作りになっていて、シナ…

中食評判

このところちっとも書物のうわさを伺っておりませんが、十一月はたまたま休日に出る用事が多く、実際なかなか本が読めなかった。 展覧会はふたつ。一つ目は国立国際美術館『アカデミア美術館蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち』。ま、当方にとっては『…

(お)こぼれ話

『播州地酒ひの』七周年の御祝い・・・だったらこちらがする方になるが、ひの御大が常連客を東加古川の焼肉『京城苑』に招待してくださった。すさまじい太っ腹である(体型のことを言うに非ず)。ここは佐賀の黒毛和牛の雌、しかも赤身を専門とする店。同じ…

菱岡さんと久足さん〜双魚書房通信員外 菱岡憲司『小津久足の文事』

菱岡憲司さんの『小津久足の文事』(ぺりかん社、5400円)が出て、これが実にいい本である。どうあっても双魚書房通信に取り上げるべし、と思っていたところ、飯倉洋一氏の忘却散人ブログで紹介されていた。順番を競うものではないのだが(いや、やっぱ…

噺家・墓・莫迦

桂吉弥落語会於羽曳野。前座は桂弥っこさんで「子ほめ」(会場が保育園だからでしょう)。吉弥さんは「蛇含草」と「餅屋問答」。「蛇含草」の演出にひとつ新しいギャグが入っていた。「餅屋問答」(江戸落語だと「こんにゃく問答」)は初めてナマで聞いた。…

国策の提言

こういうのは早い者勝ちだから、思いついた時点で書くことにする(ひょっとしたら山藤章二さんあたりが既に書いてるかもしれない)。トランプ氏とドゥテルテ氏を早急に対談させるのである。 開始早々、「うるせえ、この垂直バーコード野郎」とか「黙れ土人め…

巨星とスター

○最相葉月『星新一 1001話をつくった人』(新潮社)……を(今頃になって)読み、それをきっかけに星新一も何冊か読み返した。日本中津々浦々の小学生と同じようにこちらも熱狂的なファンの一人だった。勢いのあまりエッセイ集にも手を出した。『進化した…

プロの秋 アマの秋

松本行史さんの弁当箱を買った。胡桃材、拭漆の三段重ね。少しく贅沢な買い物ながら、丁寧に使えばいくらでももつとのこと。丁寧に使うこととする。中年の弁当としてはやや大ぶりだが、行事ごとやお客をした時のお重に使えそうである。木目の華麗な欅とは異…

収奪祭と収穫祭

友人の誕生日祝いで大阪へ向かう途中、スマートフォンの警報が鳴り出す。宇治川商店街の端にある公営住宅の前を歩いている時だった。無論鳥取の地震に係るもの。商店街とおっつかっつの年代物のビルなので、みしみしと音を立てて揺れ出すのに総毛立つ思い。…

月は照れども

豆名月、を口実に呑む。口実などなくても呑むけど、やっぱり風雅の看板を立てておいたほうがゆったりした気分で呑める。 アテはもちろん枝豆。はしりの時分に比べると、莢などはだいぶ枯れてみすぼらしい感じになってきている。でもこれくらいのほうが豆の香…

久々の味

明日は休みというのに三宮へ出御あそばしませず、スーパーで買い出しを済ませていそいそと家に帰る。別に恋女房が待ってるわけではない。週末にあった四天王寺と天神さんの古本まつりでの買い物が段ボールで届くのである。多少重たくても気張って持って帰る…

先人の二冊

ニッパチが貧寒の月というのは商売人の目から見てのことで、金を払ってものを食べに行く立場からすれば九月こそ貧寒の月というにふさわしい。少なくとも最上の月でないことは確かである。蒸し暑さは八月よりもむしろひどいし、枝豆や秋刀魚だってまだまだ走…

母のちから

『いたぎ家』に行くとブラザーズのおかあさまが来てらした、というかこの日は多分いらっしゃるだろうと推測していったのだが。残念ながらおとうさまはお疲れで休んでいるとのことだったが、おかあさまだけでも会えてよかった。ぼくはお二人が大好きなのであ…

真説・豊後 湯のたび(四)

朝食は洋風でと頼んでおいた。 早朝、さすがに名物の霧は出ていないものの、虫の声が包むような中、露天風呂に浸かって、汗あぶらを流したところに膳が運ばれる。○フレッシュトマトのジュース から始まり、 ○くみ出しチーズ(ま、ヨーグルトのようなもの) ○…

真説・豊後 湯のたび(三)

大分の夜は続く。(つづく) いや続かんのであった。教えてもらったバー(たいへん感じのよいマスター一人でやっている)でバーボンをゆっくり飲んでいると、ワカモノのグループがどやどやと入ってきたので退散。ジャングル公園たらいう、風俗街の真ん中にあ…

真説・豊後 湯のたび(二)

大分二日目。ビュッフェの朝食を済ませて、最上階にある展望浴場へ。別府湾を正面に見る大浴場で、朝日を反射して目に眩しいほどの海を見ながらとっぷり湯に浸かる。浸かりながら別府の他の温泉に行くか大分に戻って市内を歩くかを思案する。どうせ残りの七…

真説・豊後 湯のたび(一)

遅めの夏の休みには大分に行く、そう話したら「また焼き肉おごってもらえるんですか」ということばが返ってきた。そういやそういうこともあったわい、と大分にこれははじめて遊んだ時の記事を探してみたら、六年前のことだった。ずいぶんのお見限りと見るか…

ひとりの宴

お盆休みは満喫なさったでしょうか。独り身の鯨馬は、家族持ちが一斉に休暇でいなくなった職場に一人残り、しこしこ仕事をしておりました。静かでほの暗い(節電および暑苦しいので照明は間引いていた)職場はことのほか作業の効率が上がるもの。一年中盆休…

遠花火

花火見物に誘われていたけど、会場までの雑踏・湿熱、それに終わった後の食べもん屋の混雑・・・と考えるだけでげんなりして、キャンセル。家で音だけ聞きながら、のんびり過ごした。 缶ビールふと開けさすや遠花火この日の夕食は、○空心菜とニンニクとエビ…

仙薬

薬は滅多にのむことがない。高熱が出ても(これも滅多に出ないけど)じっとこらえるだけである。例外は花粉が飛ぶ時期の抗アレルギー薬くらいか。 それくらい縁遠い人間だったので、五苓散なる漢方を服用したときはほんとにびっくりした。友人が二日酔いの防…

水、水、水

第一部 或る喪失 早朝から水槽のメンテナンス。グッピーはこのところやたらと数を増やしているが(冬はあんまり子どもを生まない)、ビーシュリンプが激減していたことが分かってしょげかえる。せっかく稚エビも孵化してたのになあ。水温が高くなっていたの…

官能小説

我々二人が入ったときは、店の子はひとり、これがなかなかの手さばきで、しかも手を動かしながら間断なく口も動かす。こちらがだらしなく口を開けてるところで目の前に、鮮紅色と桃色が濡れ濡れと展開される。思わず生唾を呑み込んだ。 という艶にして快美な…

夏の食卓

酷熱甚し。せめては夕餉の膳の上にだに涼風呼び込まむ。○新蓴菜の山葵酢・・・山葵くらいは本物使いましょう。もちろんキリキリ冷やしておく。 ○空豆・・・名残の時期だが、まだ緑濃く綺麗な豆だった。 ○ずいきの酢味噌・・・これもちべたーくして食べる。 ○…

等伯的世界

職場でずっと隣席の浪々女は「淡路へ行かれよ」と言う。これは「三連休は天気良さそうやし、どっか行こうかな」という当方のつぶやきに答えたもの。 行き申す。と返事して、翌日高速バスに乗った。 一度出張でなら来たことはあるが、南あわじに遊ぶのは初め…

北にはひとつ星

なにせ一年半ぶりだから、そろりそろりと調子を戻すつもりで完全なる「既知との遭遇」の金沢一泊二日。読者諸氏にはお馴染みの繰り返しの話ばかり。噺家の芸があるでなし、どうで不要不急のブログですので、ご用とお急ぎの向きはどうぞお読み遊ばしませぬよ…

新茶でGO!!

連日遊び歩いてる訳ではありません。弁当も含め、飯はきちんと作っとります。 昨日の夕飯。 ○天ぷら(鱚と掻き揚げ。初めは普通に揚げるつもりだったけど、たまたま生の桜海老があったので、新茶と掻き揚げ。鱚のほうも衣にふんだんに新茶を混ぜた。ほろ苦い…

なに見てハネル?

元教え子にして現・年少の友である、まる。から急に呼び出しあり。「『千成寿司』に電話したら、二人行けるそうです」。 そんなん早めに言えよなあとひとりごちながら、抑えきれぬ笑みをなんとかとりつくろって阪急に飛び乗る。まる。はなんでも京都の大学と…

河内屋賛江

文楽劇場の「公演記録鑑賞会」三回目。『玉藻前羲袂』という観たことのない演目で、今年の文楽でもかかっていたのを用事で見逃したため、歌舞伎の方で見物することになった。 開演前は道具屋筋の「なんば天地書房」に立ち寄る。千日前にあった時よりずいぶん…

樽のある日々

モノにはほとんどこだわらない性分で、腕時計は何十年と付けてないし、茶碗も縁が欠けたのを平気で使う。そんな人間がまた何だって酒樽をふたつも家に運び込んだのか。 出所は『播州地酒ひの』さんである。ひのさんに「要る?」ときかれて、「要ります」と即…