2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

枕の中から囁く声は~双魚書房通信(18) ミシェル・ウエルベック『H.P.ラヴクラフト 世界と人生に抗って』(国書刊行会)~

『服従』で世界を騒然とさせたウエルベックの、最初の本。ウエルベックとあの怪奇な神話の創造主との結びつきがもひとつ分からないままページを繰ると、スティーヴン・キングの序文(二〇〇五年版)がある。 自分で書いてて怖くなったことはあるか。これはホ…

鯛をにらんで

某日 初春文楽公演で『摂州合邦辻』を観る。織大夫を襲名した咲甫大夫さん熱演。それにつけても竹本津太夫・鶴澤寛治(先代)のコンビの「合邦」は凄い(前日DVDを観ていた)。命がけ、という感じである(この時寛治は八五才)。 文楽劇場のロビーに、黒…

あるいはC1000タケダで一杯の風呂~青森初見参②~

駅前から八甲田山は酸ヶ湯温泉行きのバスが出る。夏は十和田まで抜けるそうだが、冬は酸ヶ湯止まりとのこと。常客は当方ともう一人だけ。いやが上にも旅情が高まる設定ですねえ。もう一人がオッサンではなく女子大生だと更に高まっていたのですが。 市内はま…

津軽海峡は冬景色~青森初見参①~

今回の行き先である青森は初めて。ともかく寒くて雪の多いところ、ということで選んだ。伊丹から一時間半あまり。空港ロビーを出ると、早速当方の願いが叶えられて一面の雪景色である。とはいえ予想していたよりは寒くなかった。何だこんなものか。素人の早…

四十而書

三が日は出勤だったけれど、諸色高直の時節にも関わらずわざわざ御節ならぬ年末料理を作ったのは、アテとして好きなものが多いから。だから、海老の煮たのや伊達巻やらはむろん入れない。 ○お煮染め(むしりこんにゃく、海老芋、蓮根、干し椎茸、牛蒡、慈姑…