2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

閏二月決算

予告しておいた双魚書房通信はもう少しお待ち下さい。一年間発行していなかったのでちとリハビリに時間を要しております。 読書にニッパチはない。 ○マット・リドレー『繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史』(大田直子訳、ハヤカワ文庫) ○渡辺憲司『…

天の川でささの舟

同僚湘泉子が新しい鮨やを見つけた、と案内してくれる。場所は環状線の福島から南へ五分ほど歩いたところ。『あま野』というお店。久々に会う湘泉子の相方さんと三人、ゆっくり呑んで食べる。【肴】 ○もずく酢 ○煮あわび ○飯蛸煮もの ○鯛松皮造り※紙塩? ○鮪…

世にも奇妙な物語

料理屋の腕前は、主菜よりもむしろ突き出しなどのちょっとした一皿にあらわれる、とはよく言われること。作者の場合もそれに結構近いのかもしれない。過日つれづれなるままに上田秋成の『諸道聴耳世間猿』を読み返していて、ふとそんなことを思った。 研究の…

文豪の重石

新しい「一太郎」を家のパソコンに導入しようとしたら、ダウンロードとインストールに結局8時間近くかかってしまう。これならAmazonで注文した方が結局楽だったかもしれない(夜の十二時にインストールが完了したところで何が出来るというのだ)。 そ…

灯台の下

喫餐於『テラサナ』。菜の花・蛍烏賊のソテー。鴨コンフィ。鮪ツノの藁焼き。牡蠣と青海苔パスタ。新海苔をふんだんに使ったパスタ絶品。 友人に頼まれて若い子を連れて行ったのだが、これが物凄い虚言癖の持ち主(「ウィーン少年合唱団に入っていた」そうだ…

糸屋の娘は目で殺す お上の文楽は規則で殺す

忠臣蔵は「独参湯」、つまりどんな時でも必ず効く=当たる狂言とはよく言われること。今ふうの表現ならさしづめドル箱というところ。それがまんざら嘘でもなかったらしいことは、忠臣蔵をネタに取り入れた落語が数多いことからも分かる。 なにせそれだけでま…

聞くちから

「南奔北走」の翌々日、『いたぎ家』アニー夫妻と遊び回った。いや呑み回ったというべきか。加納町の中華から始まり、神戸サウナ裏の立ち飲み、元町の鉄板焼き(でなぜか赤ワイン)、最後は三宮に戻って駅前の二四時間営業の居酒屋で三時半?まで。南北づい…

南奔北走

「団菊じじい」なる悪口があるのだそうな。何かにつけて九代目団十郎と五代目菊五郎を引き合いに出して、「それに比べて今の芝居は」とくさしまくる人間のことをいう。この伝でいずれ「歌勘ばばあ」とか出現してくるんだろうな。あ、いうまでもなく「歌」は…

鉄斎と蓮月

清荒神清澄寺鉄斎美術館にて『鉄斎と蓮月 歌をよみ、土をひねる』展開催中。親子ほども年の離れた二人の交遊を教えられたのは、杉本秀太郎さんの本による(中公文庫『大田垣蓮月』)。その「夢のような」―という惹句が文庫には刷ってあったと思う―雰囲気を追…