2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

長州返り討ち(3)〜天神拝んで狐に笑われ〜

『くじら館』のオバチャンに「まだ呑むのかね」と訊かれて、力強くうなづくと、二人で電話帳を見ながら飲み屋を調べ始める。やや心配・・・・でもここはご託宣に従いましょうか。 従ってよかった。地方の中都市のスナックでしょう、どうせ(下関の皆様、再び…

長州返り討ち(2)〜龍になった帝とクジラになったおっさん〜

前項目ではやけに力んでしまいましたが、当日は冬うららという言葉にぴったりの穏やかな晴天のもと、ひたすら楽しんで見て回りしのみ。秋田は男鹿半島の水族館GAOではハタハタ、大分の海たまごでは関サバというように、その土地の名物が一等いい場所をあ…

長州返り討ち(1)〜水族館のテツガク〜

大学・大学院で江戸のことを勉強していたから、というのもあまり論理的ではないような気もするが、ともかく心情的に佐幕派。勤王の志士ときくとげんなりするほうで、司馬遼太郎の作にしても、『国盗り物語』と『梟の城』以外は正直敬して遠ざけている(あき…

俳諧無茶修行またまた・坤の二

衣冠たゞして諫奏に出づ 碧 菜の花や配所の月もまる三年 桃 *諫奏した臣下が逆鱗にふれて流される。「罪なくして配所の月を見んこと」は風流の極致、前句の人物にしても不敬以外の罪はないから、ここで配所の月を出すのはある意味定石の発想。出るかなと思…

俳諧無茶修行またまた・坤の一

名残折表 飯盒に焦げし跡あり主や誰 桃 *初案では下五「ピクニック」。前句(「春の入り江にうろこ散りけり」)に穏やかに寄り添った、とコメントがあった。それにしては「主や誰」の問いかけが気になる。当然次はそれに答えないとならない。傳説となる敗殘…

隠居の小言

水泳のコーチが「今日は少しむつかしい用語を使って説明します」というので、多少は専門書読んで勉強しておかなきゃなあ、と思って聴いていると「水圧」がその「むつかしい用語」と分かってズッコケてしまった。 一時間ほど泳いで戻ってくると、新潮社から師…

俳諧無茶修行またまた・乾

師匠からもう一度歌仙のお誘いをいただいた(当ブログ「俳諧無茶修行 乾・坤」参照)。原稿のネタから三ツ物をこしらえ、そのまま勢いが付いたという事情のようである。下地は好きなり御意はよし、とばかり早速第四を詠み、メイルで送った。 まずは師匠の第…

かっこの多い文章

北野坂の『番鳥』でしこたま食べて呑む。先週、友人の誕生日で入った元町のさるおでん屋(お祝いにおでん屋というのも気がきかない話だが、ここは鮮魚も出すというので行ってみたのである)が、すこぶる感じの悪い店で(おでんも魚も神戸牛も揃えてゴザイマ…

裏側から見た日本史

冬の献立であまり鍋に頼りすぎるのも無精なようで気がさしますが、こんなに寒くてはねえ。本を読みつつ、酒を呑みつつ食べるんだから、鍋以外の料理だとすぐに冷たくなってしまう。 とはいっても、ずっとおなじ鍋でもつまらない。久々に酒鍋をして、これが旨…

冬ごもりに水涸れ

燈火親しむ秋でなくとも、これだけ寒いと外に出る(飲み歩く)気も萎えてしまう。こういう時こそ読書を楽しまねば。と意気込んでいても、しかし、肩すかしがあるのは人生に同じ。たとえば某という料理人が著した、会席の献立の作り方の本。カバーの折り返し…

葡萄島の死闘

弁当を作ってるついでもあるから、朝は飯のほうが手がかからなくていいのだけれど、パンを焼いて楽しんだ。理由は二つある。昨日、知り合いの方にブランジェリー・ナオの食パンをもらったことが一つ。知っている人は知ってますよね。新開地の、え、こんな所…

月に鳴く亀

最強寒波襲来の日、神戸でも珍しく雪が舞った。青森や新潟など雪害に苦しめられている地域の方々には申し訳ないが、都会の雪は風情がある。とくにめったに降らない雪を見て、街ゆく人が一様に弾んだ表情で空を見上げている、その風景が佳い。 さて、この極寒…

ハーバーのカモメは飛びもせず

久々に平日が休みだったので、用事ついでに近くの神戸阪急をのぞいてみた。ご存じでしょうが、三月に閉店するのでつねにセール中、という話を聞いたので寄ったのである。 ・・・うーん平日とはいえ、この閑雅なこと。服(ふだん着る物)はたしかに安くなって…