2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

秋の献立

素人料理(自炊のこと)ばかりでは舌がなまる。いい季節なので『紀茂登』に行く。料理は以下の如し。先付 天然舞茸、大黒しめじ、神戸牛、フォワグラのあんかけ、菊花山葵(志野の坪) 飯蒸 穴子、栗、銀杏(染付) 椀 車海老真蒸、松茸(菊花椀) 造り 鯛、…

秋の弁当

どの季節もとりどりに食材はあるけれど、日本料理を主に考えるなら、やはりなんといっても秋が一番。酒もうまくなるし。花粉症はないし(和食とは関係ないが)。 今年も、職場の掃除の方が(職場の)空き地を使って丹精して下さった野菜の収穫がいっぱい。カ…

ユルスナールの自伝

明日は大雨らしい。連休初日は存分に満喫しなきゃ、と朝のうちに用事を済ませて、久々に東山市場へ。売り手に若い世代が多いのは頼もしいが、客は老人が目立つ。 二往復ほど品定めして、鯖と渡り蟹と鯛の子、あと三つ葉等を買う。ざっくりした客あしらいが気…

元町の甘美な悪夢

こちらのシュヴァンクマイエル好きを知っている友人が、元町映画館で特集をやっていると教えてくれたのでさっそく見に行った。この日は短篇七本。ヴァイオリンに這う虫や鉛筆に塗りたくられるバターや、そして色んな作品に何度も登場する舌などのマティエー…

神戸で平家物語を読むということ

この夏土佐に旅行にいったとき、駅前広場の前に、ばかばかしいほど巨大な坂本龍馬の像が建てられていたのを見て、「郷土の偉人」ともなれば死んでからも地元奉公を続けねばいけないのだなあ、と少なからず龍馬に同情したおぼえがある。 まあ龍馬ほどの人気を…

大著二つ

三宮での待ち合わせまで少し時間があったので、ジュンク堂で新刊をチェック。来てよかった。まさか出ないだろうと思っていた本があった、それも二冊。 ロザリー・コリーの『パラドクシア・エピデミカ』(高山宏訳、白水社)はルネサンス期を主として、書名通…

無可有郷への船

体育の日の連休だけど、ジムと食材の買い出し以外はずっと家にこもって読書三昧。 まずは井上ひさしの、没後刊行の二冊『グロウブ号の冒険 附ユートピア諸島航海記』『黄金の騎士団』。いずれも未完だが、完成していればひょっとしてあの『吉里吉里人』を超…

大人の宴日

というイベントに参加してきました。てっとりばやく言えば、うまい酒とうまい肴を存分に味わおうという会。 今ではワインの会や日本酒の会に類するイベントはいくらでも開催されているだろうが、酒蔵・料理屋それぞれ二十ほど出店するというのはなかなかない…

アームチェアの旅行者

居間からは南西の方に窓が開いていて、読書用の椅子に座るとそこからは向かいにある寺の松の木が左の境界線を成すかたちで空が見える。 ジムから帰り、コーヒーを淹れて傍らに本を積み上げる。空には鰯雲が広がっている。先週はなんだかばたばたしてゆっくり…