2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

うすむらさきの思ひ出ばかりは・・・

我が家から南に下っていった道沿いに流れる宇治川は、川辺の桜並木も有名だけれど、実は知る人ぞ知る藤の名所でもある。 といっても住宅地の中のこと、藤棚があるわけではない。道のフェンスに藤を這わせており(自然になったのではない、と思う)、だから目…

一年たちました。

掘り出しの古本をめっけただの、市場で魚が安かっただのという記事ばかりでどこまで保つんかいな・・・とは書いてる本人が一番懸念していたところである。 とまれこうして「鯨飲馬読記」が無事一年を迎えられるのも、読んでくだすっているみなさんのおかげ。…

ゆるい、春。

寒い時期は好物である魚が旨く、肴がよければこれまた好物の清酒もすすむ。今年はいつまでも冷える日が続くのをかえって幸いにしこたま呑み続けていたせいか、ここにきて「春」バテ。胃腸の調子がよくない。新年度にむけて、そうそう不養生ばかりもしていら…

隠れた古典 〜双魚書房通信④〜

高校生のころを思い出す。古典(漢文)の授業の担当だったやたらと眉毛の長いその教師は、『史記』の「項門の会」のくだりを、一切の解説ぬきでひたすら暗唱させ、すらすらといえないようだと丸めた教科書で頭をポカンとやるのだった。 今ならこんな無茶な教…

四百年続く和菓子の家 〜双魚書房通信③〜

美しい本である。中に収められた季節ごとの和菓子の写真もさることながら、語られる内容そのものが、美しい。 語り手である山田和市さんは約四百年(!)つづく京の干菓子司「亀屋伊織」の跡取り息子。和市さんのお父様で十七代目に当たるという。 「亀屋伊…