2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

横丁の楽しみ

路地と路地にある社が好きだ。 路地の社だから、鳥居に本殿とものものしくかまえたのではない。日本文学史上最高の“散歩の達人”永井荷風が『日和下駄』の「淫祠」で礼賛した類、である。 一昨日、歩いて職場に向かっている途中、ふと目を向けた横丁がなんん…

羽化登僊

給料日の金曜日、東淀川の「とりや 圓」で飲む。 もともと焼き鳥は大の好物だが、ここの焼き鳥はどれを頼んでも本当に旨い。脇のメニューの野菜もよい。酒も吟味している。 いつもは日本酒をえんえんと呑む。この日は違った。店主のすすめで前衛的な(?)あ…

Polarisation

一雨降って急に春先、というよりは冬のような寒さ。野菜の高直には困るが、大喜び。寒さ好きなのである。日本の詩人では、《極北の詩人》吉田一穂が贔屓なのは、ひょっとして単なる生理的な嗜好を投影しているだけなのかもしれない、非文学的な読み方だなと…

旧師のポルノ

本はいつのまにかなくなってしまうものだ。 先日、仕事の休憩時間に、元町の古本屋に立ち寄ったが、結局買ったのは以前買ったはずだけど、今家に無いことは確実で、でも行く先知れずというものばかり。 手元を離れた自分の本を、巡り巡ってまた自分で買うこ…

味噌カツの曙

昨日お客をした。 なんだか年中お客をしている家のようだが、引っ越ししたてはこんなもの。 前の二回は洋風の献立だった。しかしこれはいわばアウェーの試合で、毎日作るのは和食のみ。しかも今回のお客様は30半ば〜40の男三人、かつそのうちの二人はメ…

リベンジ

日曜日もお客をした。お招きしたのは、引っ越しを手伝ってくれた大学時代の後輩。メニューは前の「観桜会」とほぼ同じ。前回行き届かなかったところを改善した(つもり)。山独活とホタテと苺のサラダが成功だった。三人でブルゴーニュの白1本とボルドー3…

花はさくら木・・・

昨晩は平野交差点角の「はんなり祇園」で飲んだ。職場から、夜桜見物がてらぶらぶらと川沿いに歩いているうちに俄然酒が飲みたくなったわけである。わかりますよね、このきもち。桜は夜桜に限る、と言いたい。ふだん目にするのはほとんどが人間ほどの寿命し…

觀櫻會

昨日は新居で初のお客をした。 献立は以下の通り。 【水餃子・焼き餃子】これは中国の人にレシピをきいて作った。フードプロセッサの使用は極力控えたので、白菜・エビなどの具が口中でほろほろとくずれていく感じがたまらない。成功。 【春野菜のサラダ】ク…

本を憎む記

岩波書店の本はどれも最悪である。思想体系や古典体系はもちろんのこと、タチが悪いのは岩波文庫である。小兵とあなどっていると不意打ちを食わされる。一般的に言って、文庫には予想を裏切られることが多い。 大学院では日本近世の学芸について研究していた…