2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

悶える文庫

某月某日 会社の懇親会が済むとそそくさと抜け出して、三宮の某店へ。同じ三月生まれの呑み友達であるO母・Dちゃんと、三人での合同誕生会なのである。当方があらかじめ買っておいた生ハムやチーズやパテを肴にシャンパンやらバーボンをがぶがぶ飲む。馬鹿…

北辰なき空

たしか先輩が貸してくれた「軒づけ」のCDで、これはすごいや!とノックダウンされたのが始まりだったはず。 『桂米朝上方落語大全集』四十枚・『米朝珍品集』八枚・『蔵出し!米朝全集』・『ほんまにとっておき米朝噺し』といった音源に加え、創元社の増補…

御食島(みけつしま)神出鬼没行

大学の恩師ご夫妻から、同窓の先輩後輩とともにお招きを受けて淡路に遊ぶ。以前ある集まりで当方達がいささかお手伝いしたことに対する御礼とのこと。有り難い限りである。既に拙ブログで何度もご登場頂いている大先輩・綺翁さんはともかく、後輩の里女さん…

梅が咲いたら

あの寒さ(火鉢の炭火の、あの心暖まる色)、あの空の暗さ、魚や酒の旨さ、冬を好む人間にとってはこれからがいちばんわびしい心持ちになる時期。それでも出初めの食材にまだまだ浅い春の心を探るのはこれまた食いしん坊にとっては楽しいものである。外に食…

梅は咲いたか

くもり日はことにぞ匂ふ梅の花風吹きとづる深き霞に 『玉葉』あたりに撰入されていてもおかしくないような歌だが、これは上田秋成の詠。思い出して、さすがに感覚が冴えている、と感じたのは北野天満宮の梅園を見て回っている最中のこと。雨もよいの空の下、…

雛(ひいな)はをらねど・・・

上巳節を祝ふ。もちろん酒を呑むダシに蛤の吸物を使っただけのこと。 いったいに水っ気のものは日本酒が進むもの、「馬鹿の三杯汁」というワルクチもあるけど、吸物椀三杯くらいは軽くこなしてしまう。実が蛤ばかりでは少々飽きが来るので、一杯目はふきのと…