2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

贔屓誕生

○ジャコモ・レオパルディ『断想集』(國司航佑訳、ルリユール叢書、幻戯書房)・・・イタリアの国民的詩人(『カントー』は脇功訳あり、名古屋大学出版会)の断章風エッセー。厭世観と同時に「本当の詐欺師は決してだまされる相手をみくびらない」など妙に老…

この不都合なる世界~双魚書房通信(22) スティーヴン・グリーンブラット『暴君 シェイクスピアの政治学』~

グリーンブラットは贔屓の学者。新歴史主義の驍将としては『ルネサンスの自己成型』(高田茂樹訳、みすず書房)、シェイクスピア研究の本領発揮の『煉獄のハムレット』(未訳)といったところか。といってもがちがちの学者先生ではなくて、近くはピュリッツ…

ウォーかく戦えり

今月は誰がなんと言おうとウォーの『つわものども』(小山太一訳、白水社)。これは第二次世界大戦を舞台にした「名誉の剣」三部作の一作目。訳者あとがきを見て驚いたのだが、ウォーの邦訳は、『ヘレナ』のような愚作も含め、すべて読んでいたのだった。優…

素人包丁・月見の巻

一気に秋らしくなったので、今年の名月はそれらしく眺められたのではないでしょうか。もっとも、せまじきものは宮仕え、当日はあり合わせで酒を暖めた程度。その代わりに、二日遅れの月見料理、中秋の懐石ごっこで一人愉しんだ。 以下膳組の手控え。 【飯・…