2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ミントのお茶を

某ハンバーガー屋に見られるとおり(今は某牛丼屋も含むべきか)、料理はグローバル化の波に乗りやすい一面もあるけれど、それは普遍化できる部分だけがそうなっているのであって、生まれた土地に根ざした本質はそうそう変わらないとも言える。鶴來の町で呑…

書物月旦

◎倉橋由美子『最後の祝宴』(幻戯書房)は題名通りの単行本未収録エッセイを編んだ本。と書いたがこの頃はいくらでも「次」が出てくるからなあ。倉橋さんが吉田健一を高く評価していた、というより鍾愛していたことは読者なら誰でも知っているが、ここまで文…

あとの祭り

これだけ温暖化、というより熱帯化が進んだら日本国中どこに行っても暑さは同じようなものと思ってしまうが、盆地特有の煎られるような熱気はやはり格別。京都で一日遊んでいやというほどそのことを思い知らされた。 鯨馬の別名は素骨散人。この日も阪急河原…

水茶屋

久々に「K」に呑む。店主が幾分愛想良くなっているように感じられたのは、まあ、こちらが鈍磨しただけなのかもしれないが、あこうの骨蒸しや(これだけでも満腹してしまう)アスパラの天ぷらを美味しく頂いた。 「K」より一週間ほど前、これまた久々の「Y…

あの青々と匂ふもの

「田植えを終えて一休み」が半夏生、ということであれば、逆に見ればこれから盛りが来る夏の準備とも言えるわけである。 それに合わせてということではなかったが、我が家では最近、畳を買った。 畳を「買った」というのは不自然な語法で、本来なら「換えた…

ちゅうちゅうたこである

半夏生なので蛸を買う。 農山漁村文化協会の一大叢書『日本の食生活全集』を読んでいると、「半夏生」なる歳時が何度も何度も出てきた。田植えが終わって一休み、という区切れ目らしい。その時に蛸を食べる風習が日本のあちこちに残っているのは、「植えた麦…