2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

秀吉殿にもの申す。

前回はあまりに殺伐とした話に終始したので、ひとつ暢気なお噂でも。何かと言えば、今が旬の黒豆の枝豆がぞくぞくと届いて嬉しい悲鳴をあげているという話。丹波篠山の出身の知人や、ネットで野菜を購入している農家から来るのだが、いずれも段ボール一杯な…

くちびるも寒きからっ風

今回の騒動でまず浅ましい(これは古語の意味で。つまり「あまりの事態に驚き呆れる」)と思ったのは、いまだにこんな政治風土が残存してたんだなあ、ということ。まるできだみのる(『気違ひ部落周游紀行』)か武田百合子(『富士日記』)の世界を見てるか…

くまさんに出会った

元々好物であるのと、強迫的な性分もあるのかもしれない(高所恐怖症のくせに、というかそれゆえに高い所を見ると無性に惹きつけられてしまう)、それに何より旬で安くまた旨い、といういろいろな原因が重なって、最近は秋刀魚ばかり食べている。怒り肩風に…

バナナの復讐

柿衞文庫の芭蕉展二回目。全面的に展示替えという太っ腹な方式・・・という形容は可笑しいか、ま、今回もたっぷり時間をかけて見て回りました。後期は手紙がたくさん出品されており、門人のほめ方や叱り方などは興味深いだけでなく、こういう言い方も出来る…

無月物語

水曜日、みんな皆既月食のほうで盛り上がっていたけど、そもそもこの日は旧暦九月十五日、つまりお月見の日なのであった。それがすっかり隠れてしまうのだから、趣向としてはじつにひねりが効いている(趣向で満ち欠けしてるんではないだろうが)。観賞せざ…

彦根の城に雲かかる

『いたぎ家』兄のお誘いをいただいて、台風近づく中、朝から彦根に向かった。順ちゃん(アニーの愛妻)も一緒。 日本酒の会、それも昼・夜のダブルヘッダーという豪華版である。実は彦根ははじめて。勤め人時代に何年かこの町で過ごしたタギー・アニーの案内…

実りの秋(とき)

酒と本とは文明の華。古本屋で珍品稀本を掘り出すのは人生の快事のひとつ、それもかなり上位のほうに入る口だが、新しく出た書物に心おどらせることが出来るのはそれに劣らず嬉しい経験である。収穫の季節だからというわけでもないだろうけれど、ここしばら…