閑中忙記

【十二月二十九日(土)】
 昨晩は同僚との年内打ち上げだったが、深酒はせず。早起きして水槽の水換えを済ませ、そのまま正月準備の買い物に行く。東山商店街のRでじつに綺麗な活けの鯖を見つけてご機嫌となる。これできずしを作ったらさぞ旨いに違いない。
 午後いっぱいかけて大掃除。汗びっしょりになる。夕方のスイミングには行けず。晩はちゃんぽんを作って食べる。

*『日記に読む近代日本1 幕末・明治期』(師匠も一度書いてらしたが、鳥居甲斐守の項目が興味深い。とくに変哲もない記事の連続なのだが、この一代の《妖怪》の日記とすると、むしろそれが異様な迫力を持つのである)/『読むと書く 井筒俊彦エッセイ集』
西脇順三郎を「心の師」と呼んでいるのが面白い。天才は天才を知る、というところか)

【十二月三十日】
 昼間はおせちの続き。段取りを間違えて、結局今年最後のスイミングにも行けず。師匠であるMコーチに挨拶できなかった。
 夕方あんかけチャーハンを食べながら、サラ・ウォーターズの『荊の城』とデヴィッド・ルイス=ウィリアムズの『洞窟の中の心』を読む。後者は以前このブログでも書いた山崎正和『世界文明史の試み』に刺戟されて手に取った本。
夜十時からは三宮のIZARRAでSCP(スーパー・シャンパン・パーティー)。名前はあまり洒落てないが、店の常連さんばかりで、気の置けない会。こちらも同僚とその彼女を呼ぶ。翌日朝から仕事という同僚は先に帰る。こちらは久々に会った従業員と話し込んでしまい、同僚の彼女をほったらかしにしてしまった。向こうも客である同業者と盛り上がっていたようだから、ま、いっか。
 そうこうしているうちに客は一人減り二人帰り、気がつけばなんだか呂律があやしくなったシェフと差し向かいで呑んでいた。時計を見ると六時半だったので、愕然として帰る。


【十二月三十一日】
 さすがに昼過ぎまでは撃沈。ウィダーインゼリーと蜜柑とチョコレートでエネルギーを補給しつつ、掃除と料理の仕上げをする。難波で仕事をしている相方が帰ってくるまで『洞窟の中の心』を読み継ぐ。
 八時過ぎに彼女がご帰館。おせちでちびちびやりながら、テレビを観る。年越し蕎麦を食べたのは十一時くらいか。
 近所の五宮神社と祇園神社にお参り。めっぽう冷え込んでいる。そのまま生田さんに回って、知り合いの店で少し呑むつもりだったが、相方が「しんどい」と言い出す。ほろ酔いのところに冷たい風に吹かれて、どっと疲れが出たらしい。あれしきの酒で酔うとは、ここな小娘めがわはは、と勝ち誇る。グラフィック社というところから出ている『世界の美しい本 世界で最も美しい本コンクール入選作品コレクション』(ドイツでのコンクールなので、正直こちらの趣味に合わない本も多いが)を眺めてから就寝。例年に似ず、結構早くて二時前くらいだった。

【一月一日】
 八時半に起床。雑煮を祝い、午後から仕事の彼女はお茶で、仕事のない当方は日本酒でおせちをつつく。献立は以下の通り。

・煮染め(むしりこんにゃく、海老芋、牛蒡、蓮根、京人参、干し椎茸。出汁をうんと濃く引いて、醤油・味醂はほんの風味付け程度にしている)
・炊き合わせ(高野豆腐、鯛の子、百合根)
・きずし(源平なますと。鯖はやっぱり絶品でした)
・まながつお西京焼き
・ごまめ(螢火で、気長に炒り上げて、酒と濃口醤油を等分に合わせたタレに酢少々と味醂ちょっぴりを落として、一気にからめる。一尾一尾がぱらっと離れるくらいにする)
・なまこ酢
・くわいからあげ
・鯛の真子の塩辛(塩はごく控えめ)
・三笠屋の焼き通し蒲鉾
・『播州地酒ひの』の唐墨(大根うすぎりとにんにくうすぎりのどちらかで挟む)
・酢茎

ほぼ昨年通りである。昼前に彼女を送り出したあとは、『サイード音楽評論』と原英一『〈徒弟〉たちのイギリス文学』を少し読む。 午後は呑み友達のDちゃんが久々に店に入っているので、呑みに行く。こちら以上にぐでんぐでんの客が多い(当たり前か)ので、安心して隅っこでちびちびいく・・・つもりだったが、結局は呑まされてしまい、六時に店を出る頃にはやや千鳥足。
 六時からは阪急六甲の『彦六ずし』へ。ご子息が手伝っていた。例年の如くK先生とああだこうだと議論しながら銚子を空にしていく。K先生の息子さんは今年はアメリカはヴァージニアにいるので、会えなかった。
 夜、『彦六』の巻き寿司をお土産にして三宮で二軒回る。こう書いてみると、しかし、われながらよく呑んでるなあ。
 帰宅は午前三時。

【一月二日】
 完全に何もない一日。昼間から鴨鍋をつつきながら、『サイード音楽評論』(なんとか書評に載せたい)を読み、例の《アヴィニヨン五重奏》『ムッシュー あるいは闇の君主』を読む。少し疲れると『ほんまにとっておき米朝ばなし』のDVDを観る。
 

【一月三日】
 昼から親戚の襲来。一年ぶりで話も弾んだが、さすがに帰ったあとはぐんにゃりして、鴨鍋の残りの出汁でうどんを食うと、そのまま風呂に入って寝てしまった。
 六連休は満喫したような、浪費したような。

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