一徹の味

 大阪住まいの同僚の誘いで、天満にある貝屋にて呑む。

 もっともせっかく大阪くんだりまで出るのに、一軒だけという手はないから、昼過ぎから天神橋筋の古本やを周り、駅ビル地下で十分に下地を入れてからのこと。

 天牛書店は代々我が後輩が店長またはバイトを引き継いできたお店。今は天牛ご一族の若い女性が店長をなさっている。後輩のことも憶えて下さっていた。ここや近くの矢野書房で小谷惠造『池田冠山伝』やお茶の歴史の本、岩波文庫『明治文学回想集』、ゴンブリッチの『美術の物語』(英語版)などなど。国文学系の研究書がどんどん廉価になっていっているのは、こちらのような立ち位置の人間には有り難い限りだが、あまり喜ばしい兆候ではない。

 駅ビル地下は二ヶ月ぶりくらいかな。店長店員皆元気。『フサエ』本店のほうが改装して日本酒メインの店になるらしい。オヤジはオヤジらしくしょーもない(しかしやたらに細かい)うんちくを延々たれて新店長のせいクンをいじめに行こう、と思う。

 「貝専門」と謳うから多少は偏屈なとこかと思っていたら、おかみはじめみな気さくなものだった。刺身盛り合わせのあと焼いたり煮たりしたものがコース仕立てで出てくる。酒はもちろん熱燗。ここは新潟オシとのこで、「緑川」の純米をいただく。ここまで貝ばっかり食べたのははじめてかな。タウリンだかコハク酸だかわからんが、翌朝四時半まで呑んでもぴりっともしなかった(ように思う)。

 「○○だけ」という所は、結局信頼できる、ということですかな。
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