遠花火

 花火見物に誘われていたけど、会場までの雑踏・湿熱、それに終わった後の食べもん屋の混雑・・・と考えるだけでげんなりして、キャンセル。家で音だけ聞きながら、のんびり過ごした。

 缶ビールふと開けさすや遠花火

この日の夕食は、

空心菜とニンニクとエビの炒め物
○冷や奴(「砂糖入らずの大豆」とやらを使用、とのこと。旨かったが、大豆で砂糖を使うなんてことあるかね?)
○めかぶとろろ
○スペアリブの梅酒煮
○茗荷の海苔巻き(『ひの』のメニューを盗用。飯は使わない。食べるたびに巻くので、毎回胡麻を入れたり山葵を混ぜたりして楽しむ)

 五輪騒ぎも始まった。男子水泳は毎回録画してみるつもりだけど、後は正直暑苦しい(選手が、ではなく世間の盛り上がりが、という意味)。当分は日没閉門で行く。

 では、最近読んだ本。

○濱野靖一郎『頼山陽の思想 日本における政治学の誕生』(東京大学出版会
○高山大毅『近世日本の「礼楽」と「修辞」  荻生徂徠以後の「接人」の制度構想』(東京大学出版会)・・・今年いちばん悔しかった本。徂徠学の要諦は修辞にあり、と見極めを付けたのは十年も前の事だった―なあんて書いても、負け犬の遠吠えにしか聞こえないだろうな、やっぱり。茺野氏の著書ともども脱帽しました。同年代の方がどんどん学を成していくのを見るのは、嬉しい。
○柴宣弘編『バルカンを知るための66章』(明石書店
カレル・チャペック『ある作曲家の生涯』(田才益夫訳、青土社
○袁行霈 [ほか] 原著主編『世界帝国としての文明 隋唐-宋元明』(「中国の文明」5・6、潮出版社
玉蟲敏子『日本美術のことばと絵』(角川選書
○脇田晴子『中世京都と祇園祭 疫神と都市の生活』(「読みなおす日本史」、吉川弘文館)・・・著者は文化勲章まで受けた偉い学者である(とこの本を読んで知った)が、前記茺野・高山氏に比して散文の質の低さは掩われず。なんでも昔が良かったわけではない。
○高谷知佳『「怪異」の政治社会学 室町人の思考をさぐる』(講談社選書メチエ)・・・まあ、若い世代であっても、この本は少しくデータをすいすい流していて、それはまたそれで食い足りないのだけど。一読者の勝手な感想。
カビールセガール『貨幣の「新」世界史 ハンムラビ法典からビットコインまで』(小坂恵理訳、早川書房
○八木沢敬『『不思議の国のアリス』の分析哲学』(講談社
鈴木貞美『『文藝春秋』の戦争  戦前期リベラリズムの帰趨』(筑摩選書)

 原則「読み返した本」は挙げてないが、ここ一・二年、八月になると、山田風太郎が太平洋戦争について書いた本を読み返すことが多くなった(日記や『人間臨終図鑑』も含まれる)。少しずつ変わっていくものだな、と自分の事ながら考える。

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