神戸村

 拙宅で新年会。お客様は五名。三年ぶりという人もいるのでこちらも気合いを入れて湊川は東山市場に仕入れに行く。献立は以下の如し。

○鳥鍋=コーチンや比内といったいわゆる銘柄鶏ではないけど、四百日かけて育てたとかいうだけあって肉はぷりぷりしてて、ガラからは濃厚なスープがひける。「鳥一羽を食す」でも書いたがこれはクリスマス用ローストチキンの形状で来たものを自分でさばく(だから割安)。ももや胸はだいぶん手際よく外せるようになったが、やっぱりどうしてもガラに肉が残ってしまうので、いじましくナイフでこそげとっていくと、黄いろ桃いろ赤およびそれらの中間と、様々な色調の肉がとれる。トリ屋で「こにく」と称して売ってるのはこういうものなんだな。鯨馬子は以前からこの「こにく」贔屓である。一口ごとに味も歯ごたえも変化するのが楽しいし、何より安いこと安いこと、こたえられません。水菜とさっと炊いたり、小芋と煮付けたりしたものはお総菜として一級品である(こちらは酒のアテにするわけだが)。他の具材は水菜・白菜・長葱(岩津葱)・芹(これがいちばん旨い。ことに脂身の部位と合う)・菊菜・大黒しめじ・山伏茸・柿木茸・なめこ・豆腐。出汁は鶏ガラと昆布で、酒・味醂・薄口醤油で味付け。

○氷見の寒鰤おつくり=行きつけの魚屋で「きれいやろ」と薦めてくれた品。たしかに豪勢な味わいだった。
○鯖きずし
○なまこ酢(なんだかおせちを出してる感じだな、こりゃ)=内臓、いわゆるこのわたがたっぷり入っていた。色調も風味も鮮烈。
○鮑酒蒸し、とも酢和え(肝をマヨネーズとゆず胡椒でといたもので身を和える)
○ふきのとう含め煮=ゆでてさらしてアクを抜いた後、梅干し(自家製で塩がきついから、ふきのとう十個あてに梅は半個くらい)、酒、味醂で煮ころがし、仕上げに鰹節をまぶす。いうまでもなく酒の肴としては最高。若い子は敬遠すると思っていたが、意外と好評。みんな胃が悪いのかしらん。
○漬け物(かぶら柚子漬け・千枚漬け・壬生菜)
○ばらずし=具は高野豆腐・干し椎茸をそれぞれ煮含めてこまかに刻んだのと、菜の花を色よく茹でて刻んだのと、焼き穴子(これもあぶり直して刻む)。もみ海苔をたっぷり振る。

 酒は兵庫区の「てらむら」さんで相談して選んだ。この日は初しぼりの試飲会をやっていたのだが、バイクのこととて呑めないのが無念至極。「御前酒」の「ナイン」、「奥播磨」の「超辛口」、「赤石」の「たれくち」、それに「瀧鯉」大吟醸、「菊姫」山廃純米。

 メンバーのうち、湘泉子は酒をもっぱらにハイペースでやっていたため、後半はかなり乱調。正直めんどくさかったのであるが、ここまで酔っぱらってくれるのものびのび呑んでくれた証拠、とうれしくなって、芒男さまお持たせのチーズケーキをいただいたあと、全員タクシーで三宮は「いたぎ家」に繰り出す。

 驚いたのは調理担当のオトさんと、当方同僚である孤松さんとが中学・高校の同級生だったこと。オトさん昔は生徒会なんぞでおさまりかえっていはったんでんな。わはは。

 それにしても湘泉子はじめ、みんな酔い加減だったので、大人数でおしかけた割にはあまり飲まず(食わず)ですいませんでした、アニさん、オトさん。

 あたくしはそれから更に三軒回りましたがね、ザマーミロ(意味不明)。
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