2012-01-01から1年間の記事一覧

句会浄土

何度も何度も書いたことだが、昨年から連句に熱中している。仲間は四人。今までに四巻の歌仙を巻き上げているにも関わらず、まだ一度も全員が同座しての興行をしていなかった。 山口や福岡の大学に勤める連衆もいるから仕方ないとはいえ、やはり淋しいもので…

沈香も焚かず・・・

記事の更新もないままにはや十日。連夜遊び回って、書く暇もない・・・わけではないし、かといって料理や本の話でまったくネタがない・・・わけでもないのだけれど、気がつけば一週間が過ぎていた、という感じです。 年来の夢の一つに、うーんと長生きする、…

天のくらげ

人並みにみなとこうべ海上花火大会を見て参りました。わざわざ席料を払うのもばかばかしいから、新港突堤まで歩いた、というだけの話だが。 連れは三人。むろん全員浴衣である。歩いたら汗だくになるかなと予想していたものの、海からの風がおやみなく吹き通…

メ(ランコ)リー・イングランド

ロンドン五輪はいうまでもなく(?)、水泳だけを選んで見ている。とくに自由形などではそう思うのだが、選手の腰まわりあたりでの水の流れの速いこと。むろん自分がそう泳げるようになるに越したことはない。ないが、しかし見ているだけでも充分に楽しい。 …

また夏料理です・・・

スーパーで「かまじゃこ」なる魚を見た。体長は五センチくらい。食う魚ではないが、熱帯魚のブラックネオンテトラほどの大きさである。目が大きく、銀白色の体一面に灰色のたて縞がはしっている。聞いたことのない名ながら、なぜか知ってるような気がして買…

夏のレシピ その2

梅雨明けしたかと思うと雷雨続きとはどういうことだ。責任者出てこい。 スイミング帰りに市場に寄る。久々に魚づくしで行きたいねえと思っていたので、天然ハマチの半身、蛤(国産)、とびあら、焼き穴子をもとめる。 ハマチは半分は刺身。『吉兆』の湯木貞…

ひたすら夏のレシピ

霜にあったあとの葱の甘さ、上手に漬けた水菜のしゃりしゃりした歯触り、とけして冬だって旨い野菜がないわけではないけれど、そしてはっきり夏より冬が好きという性分ではあるけれど、野菜だけはやはり夏のほうに軍配があがるようである。【新蓮根の白煮】 …

hitasura

霜にあったあとの葱の甘さ、上手に漬けた水菜のしゃりしゃりした歯触り、とけして冬だって旨い野菜がないわけではないけれど、そしてはっきり夏より冬が好きという性分ではあるけれど、野菜だけはやはり夏のほうに軍配があがるようである。【新蓮根の白煮】 …

憂鬱な清盛

一昨日から祇園祭が始まっている。といっても、京都の八坂神社ではなく、それより古い(!)らしい兵庫区の祇園神社のほうである。 日本で一等有名な八坂神社の祭礼には引き比べるべくもないけれど、かなりの数の屋台が出ている。相変わらず湿気はすごいもの…

近視の効用

「ピサロと印象派」展に行ってきた(兵庫県立美術館)。歩きながらも黴が生えてきそうな雨もよいの空。最寄りの阪神岩屋駅からでもそこそこあるので、歩くのは気ぶっせいと思って、三宮からバスに乗っていく。 車中が臭い。薄汚れたおっさんが仰山乗っている…

梅雨明け?

とも聞かないが、それにしても七夕も過ぎたというのに、今年は蝉の鳴き声が少ないように思えるのだけど、気のせいか。 久々に元町を歩くと、商店街の中の映画館で今月からアンゲロプロスの特集が始まるようである。三時間四時間の長丁場、盛夏の中もつかどう…

煉獄のカフカ

パンダが妊娠したことがえらく報道されている。なんでも国内二例目なのだそうで。 しかしよく考えれば、妊娠しないのが当たり前なのである。ふつう。とは自然状態では広い空間で雄雌たがいに心ゆくまで相手の品定めをしてからようやく一儀に及ぶところを、狭…

官能旅行(センシュアス・ジャーニー)

終業の定時は六時前だが、チャイムの鳴るや遅きという感じで飛び出す。そしてジムに直行。一時間あまり、脇目もふらず、半ば瞑想状態で泳ぎ続ける。 七時になるや遅き、と今度はジムを飛んで出て、大開通にある蕎麦屋「うるおす」に入る。ここは初見参。なん…

太郎の梅熟れ 次郎の鮎肥え

平日の休みは、なんとなく気分がゆったりして、ふつうに週末を休むよりも嬉しい。 せっかくだからゆっくり料理しようかな、とスイミング帰りに市場によってみると、琵琶湖の天然鮎(琵琶湖の鮎は小さい)を売っている。本日のメインはこれ。 紫蘇炊きとか姿…

北区買い出しツアー

後輩・空男が神戸市外大の非常勤を始めてたいへんに忙しいらしい。そう聞いていたので、しばらく水汲みに車を出してもらうのを遠慮していたのだが、暑くなってほぼ毎日ほうじ茶をやかん一杯わかすようになると、あっという間に水が底をつく。 こちらだって、…

食魔人

イサキが安かったので買って帰る。半身は造り、半身は塩焼きで。どちらも酸橘をたっぷりしぼって。イサキを下ろしたのは久々。皮を引くのに手間取ってしまい、身が少しくずれてしまったものの、味は上乗。たしかにこの時期は鯛よりイサキだよなあ、と思う。 …

書評というレシピ/レシピの批評

最近料理関係の記事をあまり書いてない。これは小説家・堀江敏幸に(原因とはいわないが)関係がある。すぐにつながるので読んでいって下さいね。 丸谷才一が奥本大三郎の新刊を書評した中で紹介していたゴシップ(?)によると、東大仏文で長く教授をつとめ…

備忘録

下戸の人間が酒席にあってつくづく莫迦莫迦しいと感じるのは、いかに酒呑みどもが愚にもつかない話を楽しそうにしているか、だそうですが、酒を呑みつつ天下国家やはたまた文学芸術を論じるなど野暮の骨頂、というより、もっとはっきりいえば礼節を弁えない…

悪行愚行の大皿―『ローマ諷刺詩集』〜双魚書房通信(10)〜

ボードレールは検閲があったからいい詩を書けたのだ、と言ったのはボルヘスである。苦い真実である。 ボードレールがヨーロッパ近代詩の、いわば教祖であることに違いはないが、しかしその偉大さはどこまでも《近代》的なものである。つまり近代的ビューロク…

吉田秀和追悼

深い教養、構え=パースペクティヴの大きさ、そして誰もが言う柔軟でありながらも陰翳に富んだ文体。それはいうまでもない。 だがそうした美質を越えて、こちらにとっては何人かの(ほとんどは既にこの世にない)表現者がそうであったように、何よりも一つの…

ビフォー・アフター

ここ一月ほど、我が家でいちばん大きい水槽(百二十センチ)が気になっていた。掃除はしているのだが、なんとなく水がくたびれている。濁っているわけではないが、水草や魚の色つやがよろしくないのだ(まあ、濁っていたら魚は全部死んでしまうはずなのだが…

隣の荻生惣ヱ門

今月はかなり貯蓄にまわせる余裕があるぞ、しめしめ・・・と思った月末に限って、欲しい本が見付かってしまい(と書きたい)、結局はぴいぴいに過ごすはめになることが多い。 ジムの帰りにスーパーをのぞくと、豆腐屋さんが出店していて、オカラが450グラ…

一粒の豆もし死なずば・・・・

子どもの嫌いな食べ物の定番といえば・・・ピーマン?人参?葱?レバー?自分はどれも平気だったが、思い返せば焼きそばが苦手だった。今でもソース味の食べ物は全般に好まないから、母親が作る焼きそばが特別にマズかったせいではない、と思う。 しかし焼き…

血ぃ吸うたろか〜

休みで、しかも好天(湿度低し)、風もある。 かねて狙っていたフローリングのワックスがけを決行する。まずは掃除機で大きなホコリを吸い取り、そのあとクイックルワイパーでさらに細かい塵を集める。その後住居用洗剤を用いて下拭き、あと水拭き。 結構大…

卵をめぐる祖父の戦争をめぐる

小説は消閑の具。身も蓋もない言い方をすれば、自分にとっての小説の位置付けは要するにそのようなことになる。 しかしこれは小説を必ずしも低く見ているというわけではないので、いわゆる娯楽作品のみを好んで読んでいるわけではない。ヘンリー・ジェイムズ…

天神さんに背を向けて

久々に鯨飲したという話を書く。 もとは「上方日本酒ワールド2012」というイベントに参加するつもりだった。場所は大阪天満宮。一応境内に松尾さん(酒の神様)は祀っているが、こういうイベントにぽんと会場を貸すのがいかにも大阪の神社らしくてよい。…

あらふぉー+1の会

同じ三月生まれ同士で、年齢もほぼ同じの呑み友達がいる。忙しくて今年は互いにお祝い出来てなかったよね、という話から拙宅での飲み会開催の運びとなった。今さらお誕生会でもあるまいが、まあそれを口実に呑もうという訳。参加者(誕生日以外の人間は五名…

盛り殺されたる記録

一週間以上記事がないのは久々。前回記したような事情もあって、キーボードをたたくにものうい。少数にして精鋭なる読者の皆様には申し訳ないなあ、と友人に話したところ、「あんな極楽とんぼブログに誰も精励恪勤は求めてないだろ」とご託宣。それもそーや…

花三相

今年は花見を三回した。とりどりに趣きあり。 はじめは生田川。ちょうど咲き満ちたところでもあり、好天にもめぐまれ、川ぶちは鬧熱はなはだしい。この日は食事をもちよりという趣向、こちらもローストポークなどなど・・・を考えてはいたのだけれど、前日は…

一筆箋

昼間っからビールが飲みたくてしようがなかった(ビョーキであろうか)ので、仕事が終わるとさっそく三宮に出て、焼き鳥で生ビールをあおる。その後、久々にはめをはずして遊んだ。はっちゃけた。愉しかった。