2013-01-01から1年間の記事一覧

三重苦

最近インターネットで情報入力するたびに、自分の年齢がプルダウンのちょうど真ん中くらいにあることを意識させられる。まさしくNel mezzo del cammin di nostra vitaという状態。相変わらず三宮界隈の「暗く恐ろしい森」をさまよってます。 先週末が当方誕…

走る宗匠

帰宅の途中、いつものスーパーをのぞいてみると、未知の深海生物のような、宇宙からの侵略者の切れ端のようなブキミな物体を発見。店員のおっちゃんにきいてみると「真鱈の真子、煮付けが旨い」と教えてくれた(ここは魚売場が充実しているのである)。 真鱈…

最後の授業

次のブログ記事のタイトルは「最後の授業」でしょう、とある人に言われた。癪に障るが、他にいいものも思いつかないので、これで行きます。 指導教官ではないが、長くお世話になった先生が大学を定年で退官されるのである。土曜日に最終講義があった。講義題…

詩人の伝記

最近、必要があって日本史・世界史の通史をずっと読んでいる。通史を横から見るための入門書や研究書を手に取ることもある。面白いものもあればつまらないものもあるのはもちろん他のジャンルの本と一緒。 ただ、上出来の一冊に出会ったときの喜びは同じくら…

鋭さとしなやかさの二重唱―『サイード音楽評論1・2』〜双魚書房通信(13)〜

サイードがみずからピアノを弾く、筋金入りの音楽好きという一面を持っていたことはよく知られているが、邦訳が少なかったせいか、これまであまりその方面からの評価をきいたことが、少なくとも評者にはなかった。 この上下二冊も、題名にあと一工夫が欲しか…

無頼侍

『六代目三遊亭圓生全集上下』DVD二十四枚組というものすごい買い物をしてしまった。やっぱりCDの音だけでは妙味が分からないからなあ。 『浮世風呂』『三十石』などで、音曲のうまさに舌を巻き、上方ことばと江戸ことばの巧緻極まる使い分けを存分に愉…

月だって凍ります。

不思議なもので、夏より今ごろのほうが水の使用量(これは飲食用ということ)が多いのである。いや、正しくは冬季の使用量こそ標準で、夏はお茶代わりのビールが増えるからその分水を使わないということなのかもしれなけれど。 ともかくストックが枯渇しかか…

教祖の亡霊

先週末に行われた、大学入試センター試験の出題を批判する(なんだか丸谷才一風)。殺風景な話題を持ち出すのは当ブログの趣旨にも反するが、たまには仕方ない。 話は国語の第一問に係る。出典は小林秀雄の「鐔」。大体がくだらぬ文章だと思うがそもそもなん…

三宮コネクション

もともとA店に入っていた子が気に入って、彼女が別に勤めていたB店にも通うようになり(その後彼女はBを辞めている)、Bから紹介されたC店で教えてもらった中華料理屋に行ってみた。BおよびCのママと同級生の店らしい。 最初「四人も入ればいっぱいに…

天動説キッチン

年末年始はよく呑むことも呑んだけれど、いい本にも沢山出会えた。今回はその中の一冊の紹介から。 中村和恵『地上の飯 皿めぐり航海記』。この著者の本は初めて読む。どうやらクレオール文学方面の研究をしている方らしいが、いわゆる研究者ぽくない文章が…

閑中忙記

【十二月二十九日(土)】 昨晩は同僚との年内打ち上げだったが、深酒はせず。早起きして水槽の水換えを済ませ、そのまま正月準備の買い物に行く。東山商店街のRでじつに綺麗な活けの鯖を見つけてご機嫌となる。これできずしを作ったらさぞ旨いに違いない。…