ふつうに、日記。

 某月某日

 久々にプールで距離を泳いだら(といっても大したことはないのだが)、足腰が立たなくなった。

 この日は家で冷やしとろろ汁と穴子丼で夕食の予定だったのだけど、作る気力も消尽した思いで、帰りがけにあったラーメン屋に入る。

 こちらにとってラーメンとは、志ん生流に言えば「なくってもなくってもいいもの」だから、美味しいとかどうとか期待しているわけではないが、それにしてもマズイ。原付なのでビールが飲めないからよけいマズイ。

 飯をたべて余計に気息エンエンとなり、家でベッドに倒れ込む。先日、さんちかの古書即売会で買った『保元物語』と『ディドロ』(講談社「人類の知的遺産」)、それにドーデの『風車小屋だより』を読む。ドーデのみ再読。『南仏プロヴァンスの12月』の世界的ヒットのあとで読むと別種の感慨がある。ピーター・メイルが描き出した黄金(きん)のようなプロヴァンスのさらに以前、いわば神話的なプロヴァンスの面影がくっきりと浮かび上がる。

 海に行きたい。