2015-01-01から1年間の記事一覧

龍神ねむる里で

龍神村で大人の遠足しました。『いたぎ家』アニーが誘って下すったもの。主たる趣向は梅狩りなのだが、にちようびに車を飛ばして田舎に行くのだから、趣向は後回しにしてもうきうき。というわけで、待ち合わせの一時間前には着いてしまって、ホテルの朝食を…

たまには日記風に。

某日 仕事帰り、湘泉子を誘って某所に呑む。特に名を秘す有名ワインバーが最近買収したのだそうで、偵察がてら入ってみた。じつは今の店の前の店・そのまた前の店とも、人的つながりがあって知っていたのだが、両方とも、まあヒドイ店ではあった。案の定今の…

懦夫をして起たしめるもの

毒にも薬にもならないブログを書いていながら、甚だ偉そうではあるが、あんまり他人様のブログを拝見することはしない。第一に文章がよくなければげんなりしてしまうし、せめて情報量をみっちり詰め込んでくれてれば、と思っても水割りされた日常雑記程度で…

人はパンのみにて生くるにあらず

ピクニックなんてピンクピンクした語感の、不惑を超えた酒呑みにふさわしくないこと甚だしいが、木洩れ陽のした、せせらぎを聴きながら、バゲットにローストビーフ挟んでぱくぱくしてるんだから、これはまあ、ピクニックと言うほかないでしょうな。 場所は奥…

篠山再訪

前回は水汲みを終えたところでふと思いついてのドライブだったから、着いた頃には既に夕方で、篠山の町ではろくにメシも食えず。 今回はそれと反対、つまりメシがメインである。店は『いわや』。猪鍋で有名なとこだと聞いた。阪急今津線で宝塚まで出て、そこ…

行きはよいよい・・・

今年、中途採用で入った後輩禄仙の案内で、同僚・芒男と大阪は天満に遊ぶ。こちらのような、大阪出身の《亡命神戸人》はあまり元・故郷に足を向けることがない。久々の大阪を暢気に楽しんだ、という話。 おなじ天満でも天神橋筋商店街ならばまだしも、古本屋…

陳大人追悼

遅ればせながら。陳舜臣さんの「わが三冊」。(1)『阿片戦争』(講談社文庫)・・・まあ、これは動かぬところでしょう。 (2)『茶事遍路』(朝日新聞社)・・・(1)の副産物として成った本。茶という、嗜好品にして世界史をも揺り動かした摩訶不思議な…

むかしの杵と柄

神戸まつりのこの日、神が愛したかのような極上の晴天のもと、あやしき飲食ビルの地下にこそこそともぐりこむ。『いたぎ家』主催(厳密には、ではないらしいが、知ったことか)の「滋賀酒蔵元十氏さんとお話しながら呑みましょー」の追い回し(別名・ボラン…

淡路有馬の水はセーヌにつながる

『IZARRA』Yシェフに教えられて、北野坂のレストランに初見参。一見事務所のような目立たない扉から入って階段を上ると、フレンチには珍しく、客席はカウンターのみ。柱が半ばしきりの代わりとなっており、当方のような一人客は個室に通されたようで…

多島海

伊勢国は鳥羽に遊ぶ。 鳥羽水族館はいつ以来だろうか、閉館の三時間前に入ったのだが、とても全部回りきれないほどだった。施設も立派で、ショーに出てたオットセイたちも可愛らしい。ただ、おっそろしく豊かな伊勢の海を前にした水族館としては、もっと地元…

三連星

久々に『小猿』で食事。移転後、初の見参となる。いつも思いついて電話しては一杯で断られていたのだが、GW明けの平日なら大丈夫かな、とこの日は予約なしに飛びこんでみたら、果たして席が空いていた。 料理は以下の如し。 ○先付 胡麻豆腐 ○前菜 生湯葉木…

われは龍の子

沈香も焚かず屁もひらず、ならぬ旅行も行かず沈酔もせず、というところで、ここしばらく記事が単調だなあ、とはブログ子自身がいちばん気にしている。 でも・・・新幹線開通のあおりで我が金沢(金沢!)はまだまだ狂躁状態だろうしなあ。これは憶測ではなく…

連環記

◎塩見鮮一郎『四谷怪談地誌』(河出書房新社)・・・四谷怪談って、つまりは都市伝説なんだな。というより、怪談は都市でないと成立しないものなのだ。こんなこと、とっくに誰かが言ってるかもしれないが。 ◎大本泉『作家のごちそう帖 悪食・鯨飲・甘食・粗…

これでもか春

同僚諸氏をお招きして食事会。一人が出産のためにこの四月を以て休職となるので、今までの慰労会兼壮行会(?)という趣旨である。お客は湘泉・芒男・孤松・有里・高丘子の都合五名。 妊婦が主賓の会だから、①生モノ、②刺戟のつよいもの、③脂っこいものはな…

ニライカナイ

というわけで、なんと今頃になって池上永一『テンペスト』を読んでみた(我ながら鈍なことである)。 いやー読んでよかったな。久々に「巻措く能はざる」読書体験をしました。『シャングリ・ラ』だけでこの小説家の評価を下さなくてよかった。真牛という、国…

悶える文庫

某月某日 会社の懇親会が済むとそそくさと抜け出して、三宮の某店へ。同じ三月生まれの呑み友達であるO母・Dちゃんと、三人での合同誕生会なのである。当方があらかじめ買っておいた生ハムやチーズやパテを肴にシャンパンやらバーボンをがぶがぶ飲む。馬鹿…

北辰なき空

たしか先輩が貸してくれた「軒づけ」のCDで、これはすごいや!とノックダウンされたのが始まりだったはず。 『桂米朝上方落語大全集』四十枚・『米朝珍品集』八枚・『蔵出し!米朝全集』・『ほんまにとっておき米朝噺し』といった音源に加え、創元社の増補…

御食島(みけつしま)神出鬼没行

大学の恩師ご夫妻から、同窓の先輩後輩とともにお招きを受けて淡路に遊ぶ。以前ある集まりで当方達がいささかお手伝いしたことに対する御礼とのこと。有り難い限りである。既に拙ブログで何度もご登場頂いている大先輩・綺翁さんはともかく、後輩の里女さん…

梅が咲いたら

あの寒さ(火鉢の炭火の、あの心暖まる色)、あの空の暗さ、魚や酒の旨さ、冬を好む人間にとってはこれからがいちばんわびしい心持ちになる時期。それでも出初めの食材にまだまだ浅い春の心を探るのはこれまた食いしん坊にとっては楽しいものである。外に食…

梅は咲いたか

くもり日はことにぞ匂ふ梅の花風吹きとづる深き霞に 『玉葉』あたりに撰入されていてもおかしくないような歌だが、これは上田秋成の詠。思い出して、さすがに感覚が冴えている、と感じたのは北野天満宮の梅園を見て回っている最中のこと。雨もよいの空の下、…

雛(ひいな)はをらねど・・・

上巳節を祝ふ。もちろん酒を呑むダシに蛤の吸物を使っただけのこと。 いったいに水っ気のものは日本酒が進むもの、「馬鹿の三杯汁」というワルクチもあるけど、吸物椀三杯くらいは軽くこなしてしまう。実が蛤ばかりでは少々飽きが来るので、一杯目はふきのと…

職人伝説

天地晦冥的な酔い方をすることも、思えばずいぶんなかったのである。立派に中年と相成った我が身に要慎する構えがあったせいであろう。翌日、というより朝まで飲み歩いたその続きの昼過ぎに目覚めると当然のことながら宿酔でぐったり。しかし、レンタルビデ…

二都物語

都市型というのか、陸上型というのか、ともかく海岸沿いではない立地の水族館といえば、これまで池袋サンシャインに行ったことがあるだけ。ペンギンやペリカンがビルの屋上をよちよち歩く非現実的な光景が印象に残っているが、京都水族館はまず規模の雄大に…

稲荷の御加護ありやなし

運転手兼「執事」役の空男が四月からヴェネツィアに留学することになったので、壮行会を兼ねて二年半ぶりに拙宅で連句の会を催した。ふだんメイルで句をやりとりしている連衆諸氏五名をご招待。芭蕉時代だと奈良茶飯に酒は三盃を過ぐすべからずとむやみに質…

鬼をやらふ

忙しいなんて汗臭いことはなるべく書きたくないのだが・・・忙しい。もっともいくらでも時間が余っている時に比べてこんな状況のほうが無用の本、いやこちらは学者ではないので有用の本というものがそもそも無いのだが、ともかくそれこそ閑つぶしの読書に関…

白菜深情け

前回、冬菜を漬けたと書いた。すべて良い加減に仕上がって、朝は壬生菜漬と焙じ立ての番茶で茶漬け、昼の弁当には蕪のぬか漬(の浅いの)、晩酌の相手として白菜漬、とご機嫌に過ごしていたのですが、さすがに白菜一株を中年男一人ではこなしきれない。発酵…

厄介な男

日曜日は午前中から水汲み。例の如く、後輩・空男氏に車を出してもらう。前回、たしか昨年の十一月末くらいに汲みに行った時、湧き水を誘導するパイプの継ぎ目がずれて水量が落ちていたのが気になっていた。今までずっとお世話になってきた大切な水源だから…

地上の星

無事卒論を出し終えた相方が来て、夕食にアサリとほうれん草のクリームパスタを作った。パスタはかなり気合いの入ったアル・デンテ。貝のワイン蒸しは少し火が通り過ぎていた。ま、歴代付き合った子で、こちらより料理の腕が上だったやつは一人もいないし、…

他人をダシに己を語る

それほど暴飲暴食していたわけではないけれど、年末からいささか外食の頻度が高くなっていたので、本日は家でゆっくり夕食を作った。◎鯛蕪・・・鯛のかぶと(二つ割にしたやつをさらに四つに割る)・かまは、霜降りにしたあと、細く水を落としたボウルの中で…

正月日記

読者の皆様、あけましておめでとうございます。本年も毒にも薬にもならぬブログながら、御高読のほどお願い申し上げます。十二月三十日 昼 カレーうどん ※午前中で掃除、昼からは東山市場で買い出し。 夜 IZARRAでの恒例忘年会。一応「スーパー・シャ…