鳥一羽を食す

  「職場アラフォーの会」という名目でお客をした。自分を入れて都合七名。折良く前日くらいから急激に冷え込んできていたから、鍋にはぴったり。とはいえシーズンには入った所だろうし、そんな変わった鍋でもなくてもいいか。と鳥鍋に決める。鳥はスーパーのブロイラーではつまらない。ネットで地鶏を注文した。

  ここからが初挑戦となるのだが、鳥は丸鶏、つまり自分で捌こうというわけ。パソコンの画面で捌き方の動画をにらんでは台所に駆け戻って出刃包丁をふりかざす。相当に鬼気迫る光景だったと思う。

  もっと難渋するかと思ったが、それほどの失敗もなしに解体は終了。ふだん鶏ガラでスープをとることが多いので、できあがりがあの感じになればいいのだ、といわばイメージトレーニングができていたせいもあるのだろう。関節を切るのではなく外す、という感覚がなんとなくわかった気がする。

  それにしても・・・と解体後のガラを見下ろして独りごちる。なんとも贅沢なガラであることよ。肉片があちこちにこびりついておる。魚だと中骨が透き通るくらいに綺麗におろせるのだが。ま、これは「役得」として濃厚なスープ用にいただきましょう。

  さて、鍋の具材は定番の白菜、三つ葉、菊菜、豆腐、椎茸。それに鳥つくね。これは一工夫した。鶏ミンチ(こいつはスーパーにて購入)の三分の一ほどレバーを混ぜるのだ。こうすると鶉のような濃厚な味わいになる、とどこかで読んだおぼえがあった。鶏レバーは細かく刻んでしっかり血抜きをしておきます。そのあとでフードプロセッサーにかける。またレバーが入るとどうしても食感がぱさつくので、ミンチはもも肉だけのものを使う。臭み消しには山椒をふる。

  購入先がサービスで付けてくれた鶏の頭とモミジ(足)、それにガラを煮出したスープはいい匂いがしてよくのびる、上質なものに仕上がりました。鶏肉本体も歯ごたえがあってコクもあり、たいそうよろしかった。

  鍋以外の料理は以下の通り。

1 柿のサラダ:さいころに切った柿をクリームチーズで和える。柿にはジンとライチのリキュールをかけまわして風味をつけています。
2 カジョス(ハチノス煮込み)
3 煮豚:味・香り付けは塩・大蒜・八角だけ、といたってシンプルですが、水でなく清酒のみで煮込んでいます。
4 キノコと蓮根のマリネ:オリーヴ油でかるく炒めたあと、マリネ液(米酢、バルサミコ酢オレガノ、塩胡椒、ジンジャーパウダー、蜂蜜)に漬けておくだけ。出す時にトリュフオイルをかける。
5 鯖きずし:柚子の輪切りをふんだんに用いる。
6 車海老のアボカドディップ
7 車海老塩焼き
8 なまこ酢
9 蒸し鮑:肝をすってマヨネーズ、煮切り酒、柚子胡椒で味付けしたものを付けて。
10 蛸の桜煮
11 生牡蠣:友人がシャブリを持ってきたのに合わせて。シャブリときいて生牡蠣、われながらこのどうにも俗っぽい発想はどうにかならないか、と思うがともあれヴィンテージのシャブリ(グランクリュ!)も広島の大粒牡蠣も結構でした。ただし組み合わせとしてはやはり純米酒のほうがよかったような。
12 胡瓜の塩麹漬、かぶらの柚香漬

酒は白がシャブリ、赤はコート・デュ・ローヌ(のなんたら)とボルドー清酒菊姫無濾過生酒と琥泉純米吟醸。濃醇と清爽。
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