雉が芹しょって。

某日は「海月」敬士郎さん夫妻と「ビストロ ピエール」へ。雉のローストとリゾットが素敵に美味かった。ワインもじゃかじゃか呑んで、前回同様首をひねりたくなるような安さでした。 翌日、リゾットの仕上げに使っていたチーズを買いに、宇治川商店街の「ス…

南部ひとり旅(3) 迷宮にふみこむ

舘鼻の岸壁朝市には、ま、色々あって行かず。種差海岸とともに、次八戸に遊んだ時の楽しみとしておく。朝市の代わりに、看護師が教えてくれた八食センターへ足を向けた。中心街からタクシーで二十分くらいか。水田のまん中に無闇にでかい建物が立っている。 …

南部ひとり旅(2)狂人・ミロク・シャカ・天使

実際、翌朝はすかっと目覚めたのだった。ホテルの朝食もおいしく頂いた。ご当地料理の代表格であるせんべい汁というのがたいへんよろしい。鶏や昆布でしっかりとった出汁に大根人参葱牛蒡、そこに南部せんべいがぬめっとてろっと浮かんでいて、これなら二日…

南部ひとり旅(1)聖地巡礼

今回は八戸中心の旅なのに、三沢ではなく青森空港発着で予定を組んでしまったところに、当方の無知があらわれていた。空港からバスで青森市まで。そこから電車を乗り継いでいくと、八戸での昼食は無理そうである。ならば二月ぶりの青森で食べていきますか。 …

たてよこななめ

誕生祝いのメッセージを下さった方々、この場を借りて改めて感謝申し上げます。張龍・風意のお二人、素敵なプレゼントをありがとう。 過日はこれまた思いがけない贈り物も。うらうらと晴れた昼、『かね正』で下地を入れていつものように『ふみ』に向い、ボー…

贋作・雛料理

好きな季節が終わった途端に花粉症が始まって気分までどんより。元々メランコリイが昂じる時分ではあるし。家にメンはおらんがせめて桃の節句にかこつけた料理を作って自ら慰めるべし。 ただし今年は仕入れの都合上(出勤だった)、古式には遠く、すなわち題…

加賀を夢見る

東京方面と外国からの観光客で殷賑を極める金沢に足を向けることが少なくなった。大好きな町が熱鬧の巷と化したのは見るにしのびない。それでも、というよりだからこそ、お茶を啜ったり布団にもぐりこんだりしぼんやりしてると、長町を流れるせせらぎの音や…

初午プラスワン

初午の膳の下ごしらえは前日に済ませたおいたというのに、友人の誘いで三宮へ。向こうは誕生日前日。普段「メシ喰わせろ」と強要している相手なので、ここぞとばかりに焼肉をおごらされた。 で、お稲荷様にゴメンナサイして本日、つまり初午翌日に改めてこし…

アーダに首ったけ

じつはここんところナボコフの『アーダ』(若島正訳)がめっぽう面白く、ずっぽりハマってしまっているのだが、さて書評書けるかなあ。とりあえずは溜まった本を整理しておきます。 ○松浦弘明『イタリア・ルネサンス美術館』(東京堂出版)・・・ふと思った…

枕の中から囁く声は~双魚書房通信(18) ミシェル・ウエルベック『H.P.ラヴクラフト 世界と人生に抗って』(国書刊行会)~

『服従』で世界を騒然とさせたウエルベックの、最初の本。ウエルベックとあの怪奇な神話の創造主との結びつきがもひとつ分からないままページを繰ると、スティーヴン・キングの序文(二〇〇五年版)がある。 自分で書いてて怖くなったことはあるか。これはホ…

鯛をにらんで

某日 初春文楽公演で『摂州合邦辻』を観る。織大夫を襲名した咲甫大夫さん熱演。それにつけても竹本津太夫・鶴澤寛治(先代)のコンビの「合邦」は凄い(前日DVDを観ていた)。命がけ、という感じである(この時寛治は八五才)。 文楽劇場のロビーに、黒…

あるいはC1000タケダで一杯の風呂~青森初見参②~

駅前から八甲田山は酸ヶ湯温泉行きのバスが出る。夏は十和田まで抜けるそうだが、冬は酸ヶ湯止まりとのこと。常客は当方ともう一人だけ。いやが上にも旅情が高まる設定ですねえ。もう一人がオッサンではなく女子大生だと更に高まっていたのですが。 市内はま…

津軽海峡は冬景色~青森初見参①~

今回の行き先である青森は初めて。ともかく寒くて雪の多いところ、ということで選んだ。伊丹から一時間半あまり。空港ロビーを出ると、早速当方の願いが叶えられて一面の雪景色である。とはいえ予想していたよりは寒くなかった。何だこんなものか。素人の早…

四十而書

三が日は出勤だったけれど、諸色高直の時節にも関わらずわざわざ御節ならぬ年末料理を作ったのは、アテとして好きなものが多いから。だから、海老の煮たのや伊達巻やらはむろん入れない。 ○お煮染め(むしりこんにゃく、海老芋、蓮根、干し椎茸、牛蒡、慈姑…

我、乱世にあり~双魚書房通信(17) ~

小川剛生『兼好法師 徒然草に記されなかった真実』(中公新書) 中学校の教科書にさえ載るくらいの古典のことだから、作者に関してもう知られる限りのことは知られている、と誰しも思う(少なくとも評者はそう思っていた)。その思い込みを片っ端から粉砕し…

皇帝的鮑

シェアキッチン「ヒトトバ」での“一日だけの料理屋”「蜃景楼」二回目はコース形式。使い慣れない(そして狭い)調理場だから、作る方・食べる方双方にとってこのやりかたがいいようである。 「舌尖上的変人合作」なるUさん手書きの献立を写し、いささかの注…

懐石ごっこ

十連休ながら、旅には出ず。それどころか、外に食事しにいくこともほとんど無し。敬士郎さんと五軒はしご酒したくらい。いつも遊んでくれてありがとう、敬士郎さん! その代わり、市場やデパートにはよく行った。毎日旨そうな食材を買って帰り、好きなように…

鶉が叫んで冬が来る

山鶉(ペルドローグリ)が熟成しましたと知らせをもらって「MuogOT」へ。一年ぶりだな、うずらちゃん。リヨン風ソーセージもサラダも旨かったけど、やはりこの日の主役だけあって、山鶉は見事な仕上がり。ももはコンフィしてから炙り、胸はそのままロ…

大勢の場合

鍋の具材は一、二種類にかぎるとは書いたものの、やっぱりひとり酒の場合に限るようである。あ、ふたりでつつく時もこちらのほうが風情がある。「そして櫓のさしむかひ」・・・惚れた同士が炬燵の上いっぱいにすき焼きの具材を広げたのでは様にならない。と…

晩年の北斎

あべのハルカスの北斎展、噂どおりの大混雑。「チケット購入にたいへん時間がかかる」とHPで警告していたので、事前に購入して行ったけれど、会場に着いてみると「整理券をお配りしています」という状態。結局整理券に指定された入場時間まで一時間半、待…

うを・しる・もやしもん

『海月』敬士郎さん夫妻のお誘いを受けて、鈴蘭台『ピエール』へ。途中「すずらん吉田」(酒店)に立ち寄る。ここにあったんですな。アヤシイ感じの立ち飲みコーナーが店の奥にある。こんど行ってみよう。 『ピエール』さんのスープが旨かった。コンソメなの…

この世の外なら何処へでも

旧師が講演をするというので、大学へ。先生の語り口は二十年前のままだった。主題は源氏物語「野分」巻の「あくがるる心」をめぐって。「あくがる」(現代語形だと「あこがれる」)、今は「理想的な対象に心惹かれる」という形而下的な使い方が主流となって…

肉名月

名月の夜、大学の後輩で連句の連衆でもある里女さんの誘いで焼肉へ。風雅にシマチョウを炙り、優美にハラミを噛みしめたりする。酒の途中で店の外に出て空を仰ぐと、主役は真っ白に照り映えておりました。ビルの合間の明月(と書きたい)には独特の風情があ…

奇襲のキッシュ

まだまだ中華フィーヴァーが止まらない。先週木曜日には、海月夫妻と住吉『自然派中華クイジン』さんへ。 敬士郎さんの覚え書きを拝借して、献立を記す。・鯨の椒麻ソース、秋鮭雲呑のみぞれソース、よだれ鶏、シャコの香味醤油、叉焼肉、牡蠣のベーコン巻金…

大楠公と大阿利襪

「第四三回東西落語名人選」(神戸文化ホール)。 ○柳家三三「もと犬」○笑福亭仁智「老女A」○柳家さん喬「棒鱈」○桂福團治「悋気の独楽」 中入り○月亭八方「高津の富」○柳家小三治「粗忽長屋」という番組。 さん喬師=歌がうまい。福團治師=御(ご)寮(りよ)…

人に告ぐべき鰯雲

九月に入った途端、近年の長い長い残暑に慣れた感覚からすれば嘘のように清爽な気候に切り替わった。おまけに義理堅くも鰯雲さえ浮かんでいて、こんなに順調に秋になってもいいものかしらん、と思っていると、案の定翌週には蒸し暑い空気が戻ってきたのにな…

夜泳ぐ

須磨水族園の夜間営業へ。平日を狙っていったので、人は予想どおり少なめ。ゆっくり見て回った。アクアリウムの権威・中村元氏のように「この水族館の特質は・・・」なんぞと語る資格は無いけれど、ここは展示の方法やキャプションの文章が、巫山戯すぎず、…

絶滅系男子

今にも絶滅しそうな(あるいは既にしている)古風なヤマト男児のことに非ず。塩素系漂白剤を使いまくって菌どもの絶滅にいそしんでいるという意味。 潔癖というほどでもないけれど、独り身で格別な資産も無い人間にとっては食中毒やら何やらで自分が倒れたら…

プロとアマ

日曜日は『播州地酒ひの』さんで奥播磨の会、水曜日は『海月食堂』で敬士郎さんの料理を堪能する会と、出不精には珍しく立て続け。 蔵の方からは「大吟醸でも、一通り食べた後でなおかつ美味しく呑んで頂けるように作っています」と説明があった。逆に言えば…

引越お知らせ

はてなダイアリーからはてなブログへと「お引っ越し」。 同じマンションで階を移るようなものだと思いますが、念の為。